その名の由来に思わぬ逸話が!?「アンパン道路」を歩いてみた|Domingo

その名の由来に思わぬ逸話が!?「アンパン道路」を歩いてみた

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札幌市

札幌には「アンパン道路」という名前の道路が実在します。なんともユニークな名前ですが、その由来を辿れば、なんと明治時代にまで遡るのです。しかも、札幌市民でもあまり知らない人情話があるようで……。実際にアンパン道路を歩いてみて、札幌の歴史に触れてみませんか?

アンパン道路は、札幌市豊平区にあります。距離にして約2.6km。まずは平岸側、地下鉄南北線南平岸駅そばにある平岸小学校前からスタートしましょう。小学校の柵には、アンパン道路について説明した大きな看板もあるので、目印になりますよ。
平岸側から歩くコースは上りの坂道が続き、ちょっとしたウォーキングにはもってこいです。そしてアンパン道路が札幌の歴史と関わりがあることは、実際に歩いてみるとよく分かります。たとえば、途中で目にするはずのこんな記念碑。
記念碑には「明治44年旧歩兵第25連隊兵士の労力提供と地元民の奉仕により完成」と書かれています。ここで簡単に歴史を紐解いてみましょう。

明治43年、豊平にあった役場が月寒に移転したことが事の発端です。平岸の住民が役場に行くためには、かなり遠回りしなければならなくなりました。しかも当時は財政難で、新しい道路をつくることもできません。そこで無料奉仕で道路建設を手伝ってくれたのが、駐留していた陸軍第7師団歩兵第25連隊だったというわけです。
工事の間、地元民は感謝の気持ちを伝えるために、兵士1人につき1日5個のアンパンを配布しました。アンパン作りは7軒の店で請け負い、その1軒が今もなお残っています。札幌市民なら誰もが知る「月寒あんぱん」です。そういうわけで、わずか半年という短期間で完成したこの道路をアンパン道路と名付けたのです。
さて、平岸側から歩きはじめたアンパン道路も、いよいよゴールに近づいてきました。月寒側は、地下鉄東豊線月寒中央駅1番出口前まで。兵士たちの厚意と地元民の感謝の気持ちが、明治という時代にこのアンパン道路を生んだのだと思えば、なんだかほっこりしませんか?

観光の際に少し足をのばすのもいいですし、札幌市民が散歩がてら歴史探訪するのもいいかもしれませんね。

ライタープロフィール

北海道観光カメライター ぶちねこ

北海道の観光スポットや観光施設につながりをたくさん持ってる「ぶちねこ」です。北海道に住んでいると当たり前に思っているものでも、素晴らしい資源がたくさんあります。そんな素敵な北海道の魅力を発信していきます。

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