Domingo 記事
アザラシを見るとき、アザラシもまたこちらを見ているのだ
2025.08 北海道
@nas_oakさんの投稿より引用
岩礁に乗って休むアザラシが、横目にめちゃくちゃこちらを見ている、インパクト大の一枚!Xの投稿は750万回以上閲覧され、11万以上のいいねが集まりました。ユーザーからは「可愛すぎるw」「めっちゃ見てるw」「なんか詩的で好きだな…静かな夏の北海道の感じが伝わる」といった、多くの感想が寄せられています。
夏の北海道・道北旅で出会った野生のアザラシ
岩礁の上でのんびりくつろぐ野生のアザラシ
投稿主である「かお🦭」さんは北関東在住。アザラシが大好きで、北海道にも何度も訪れているアザラシファン(アザラー)です。全国各地の水族館にいるアザラシはもちろん、望遠レンズなどを駆使して野生のアザラシの撮影にも取り組まれているのだそう。
反っている姿もかわいい!
投稿されたアザラシは、2025年の夏、紋別から稚内へ向かう途中の沿岸部で出会った一頭。岩礁の上でエビ反り状態で休んでいる野生のアザラシです。
かお🦭さんは「これまでも秋から春にかけて道北で野生のアザラシに何度か出会っていますが、夏にもいることに驚きました。撮影しているうちに、私の存在に気付いた子がこちらをチラチラと見ている様子をおさめたのがこの写真です。」と撮影時を振り返ります。
“アザラー”が見つめる、北海道で生きるアザラシたち
ノシャップ寒流水族館「空生(すい)」ちゃん
かお🦭さんがアザラシを大好きになったきっかけは、稚内のノシャップ寒流水族館で初めて出会った、ホワイトコートをまとった赤ちゃんアザラシ「空生ちゃん」でした。それ以来2年半ほどにわたって、各地の水族館やアザラシの生息域を回り、かわいいアザラシを撮影しています。
そんな“アザラー”のかお🦭さんに、アザラシへの愛と、何度も訪れている北海道への思いについてうかがいました。
アザラー歴は2年半ほどで、まだまだ新米です。 北海道には野生のアザラシが生息していることもあり、国内で唯一のアザラシ保護施設「とっかりセンター」もあります。 ここは、アザラシをより身近に感じ、深く知ることができる「アザラシの聖地」だと思っています。
オホーツクとっかりセンターの「ソル」くん
可愛くて賢いアザラシが大好きですが、その賢さが漁業関係者にとっては悩みの種になることもあります。 さらに、温暖化の影響で出産に不可欠な流氷が減少し、アザラシたちは生息環境の変化に直面しているかもしれません。今は北海道周辺にたくさんいると思われているアザラシも、いつか見られなくなってしまうのではないかと、不安になる気持ちもあります。
道北エリアで撮影した野生のアザラシ
もしアザラシを好きにならなければ、彼らの暮らす世界や抱えている問題について、ここまで深く考えることはなかったと思います。これからも「可愛い」という気持ちを入り口に、アザラシの現状や環境変化に目を向けながら、アザラシの未来が少しでも明るくなるように、知り、考えることの大切さを忘れずにいたいです。
かお🦭さんの語る、熱くて深いアザラシへの愛と、アザラシをとりまく環境やさまざまな課題へのまっすぐな視線はとても印象的でした。そしてアザラシなどの野生動物と共生できる北海道の未来について、少し考えてみたくなりました。このようにSNSに投稿されたかわいいアザラシの写真をきっかけに、アザラシファンがさらに増えるかもしれませんね。
気になった人はぜひ、北海道各地の水族館や動物園、そして沿岸部に暮らす野生のアザラシたちに会いにでかけてみてくださいね。
取材協力・写真提供:かお🦭
■X:@nas_oak
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