
Domingo 記事
このサイロを含め、明治公園は実は歴史ある公園だと知っていましたか? 明治公園を紹介すると共に、少しだけ歴史を紐解いてみましょう。
明治8年、国内2例目となる国立牧畜場が根室市に創設されました。「開拓使根室牧畜場」、明治公園の前身です。その後、牧場は北海道庁の所轄となり、さらには民間に払い下げられる運命を辿ります。
次の1万円札の顔である渋沢栄一が会長を務めていた有終会が経営に当たっていたこともあり、ちょうどその頃、三基のサイロが建てられたのだそう。つまり、三基のサイロは渋沢栄一に縁のある建築物だとも言えます。

公園のシンボルであるサイロは、建造年もサイズも異なります。第一サイロと第三サイロは昭和11年、第二サイロは昭和7年に建造されました。高さも第一サイロから順番に15m、12m、14mと微妙に差があります。
現存するレンガ造りサイロとしては第二サイロが国内で2番目に古く、対して第一・第三サイロは国内最大級です。その歴史的価値から、平成13年には三基揃って登録有形文化財に指定されました。
(写真提供:根室市観光協会)
明治公園に話を戻しましょう。明治公園は大正10年以降は北海道練乳会社(後の明治乳業)が所有し、昭和54年には会社名にちなんで明治公園と名付けられ整備されました。こうして紆余曲折を経て明治公園が誕生したわけですが、平成18年には「日本の歴史公園百選」に、翌19年には「近代化産業遺産」に選定されています。
(写真提供:根室市観光協会)
歴史ある公園も、地元の人々にとっては憩いの場であることに変わりありません。公園内には噴水広場があり、遊具やバーベキューコーナーもあり、子どもたちの笑い声が響きます。
また、公園の北側には野鳥観察小屋(ハイド)が設けられていて、野鳥たちを脅かすことなくバードウォッチングを楽しむことが可能です。観察できるのは、ヒヨドリ、コムクドリ、カワラヒワ、ベニマシコ、キジバト、アオジなどなど。

いかにも北海道らしい楽しみ方ができる明治公園。フォトジェニックな三基のサイロを目当てに行くのも良し、野鳥観察を目的に行くのも良し、もちろん何も考えずに自然と触れ合いたいから行くのも良し。
(写真提供:根室市観光協会)
訪れた際は、ここがかつて国立牧畜場だった歴史などを頭の片隅に置いておくと、少しだけ目の前に広がる風景が違って見えるかもしれません。
▼詳しくはDomingoのスポットページをご覧ください
明治公園
<取材協力>
根室市観光協会
所在地:北海道根室市光和町2丁目10番地 観光インフォメーションセンター
電話:0153-24-3104
公式サイト:https://www.nemuro-kankou.com
ライタープロフィール
北海道観光カメライター
チームぶちねこ
北海道の観光スポットや観光施設につながりをたくさん持ってる「チームぶちねこ」です。北海道に住んでいると当たり前に思っているものでも、素晴らしい資源がたくさんあります。そんな素敵な北海道の魅力を発信していきます。
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