湖面に咲く“氷の花”「フロストフラワー」 北海道・オンネトーで撮影された一枚が神秘的すぎる|Domingo

湖面に咲く“氷の花”「フロストフラワー」 北海道・オンネトーで撮影された一枚が神秘的すぎる

厳しい寒さと無風など、限られた条件がそろった朝にだけ現れる自然現象「フロストフラワー」。北海道・阿寒摩周国立公園のオンネトーで、湖面に咲く神秘的な氷の花が撮影され、冬ならではの絶景として注目を集めています。

今朝のオンネトーは-15℃まで冷え込み
岸辺ではフロストフラワーが見られました

フロストフラワー

@junrensuiさんの投稿より引用

写真に写っているのは、冬ならではの自然現象「フロストフラワー」。一気に冷え込んだ12月10日、阿寒摩周国立公園にある湖・オンネトーの岸辺で撮影された一枚です。その繊細な氷の結晶は、まるで白い花が咲いたかのよう。その美しさにSNSでは「行きたい!」「いよいよ冬景色か」といったコメントが寄せられ、北海道の冬の訪れを感じさせる一枚として注目を集めています。

地元を知り尽くすガイドさんに聞いた――「フロストフラワー」が見られる条件とは?

フロストフラワー

12月13日、阿寒湖でも撮影されたフロストフラワー

このフロストフラワーを撮影したのは、北海道・道東エリアを拠点に、阿寒湖やオンネトー周辺で自然・山岳ガイドとして活動している川村純一さん。川村さんによると、この日のオンネトーは早朝の気温が下がり、フロストフラワーが発生するための条件が、偶然にもそろった朝だったそう。

フロストフラワー

同じく12月13日に阿寒湖でも撮影されたフロストフラワー

では他にどのような条件でフロストフラワーは発生するのでしょうか?地元の自然を知り尽くす川村さんにうかがいました。

■フロストフラワーが発生する条件

1.極寒の気温 マイナス15℃以下 の強い冷え込みが続くこと。水蒸気が一瞬で凍りつくための絶対条件です。
2.ほぼ無風 で、風があると繊細な氷の結晶がすぐに吹き飛ばされてしまうため、風がほとんどない 状態であること。
3.湖の表面が薄く結氷しており、その氷の上に雪が積もっていないこと。水面からの水蒸気(湿気)が立ち上がりやすい状態が必要。
4.発生するのは主に、放射冷却で冷え込みが激しい早朝の短い時間帯です。日が昇って気温が上がるとすぐに溶けて消えてしまいます。

​これらの条件が満たされた早朝に見ることができます。

限られた条件のもとで、ほんのわずかな時間だけ姿を現す「氷の花」。厳しい寒さの中だからこそ出会える、北海道の冬の神秘がそこにはあります。

写真提供・取材協力:川村純一
X(旧Twitter):@junrensui
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