Domingo 記事
アクリル絵の具60色が踊る、色鮮やかな新作
未発表の作品と新作が並ぶ壁面
札幌在住の高幹雄さんは、制作を始めた2000年代初頭から国内外で作品を発表し、高い評価を受けてきた画家。札幌では8年ぶりとなる個展で『光のソナタ』と名付けられた本展には、60色ものアクリル絵の具を音符のように用いて、私たちが日常で目にするさまざまな光の色を表現した新作9点と未発表の作品1点が並びます。
「ソナタ」は複数の楽章から成る器楽曲の構成を指し、『光のソナタ』という言葉には単に光を描くだけでなく、光が時間と共に移ろいリズムを持って空間に響き渡る様子を視覚化したという意図が込められているのだそう。
《Sonata of Light #02》
高さんの作品は、表面に塗られたニスによる艶やかな存在感が大きな魅力。新作では従来の油性ニスではなく、絵の具の色をクリアに出す透明の水性ニスを使っており、カラフルさが際立つ明るい仕上がりに。「パレットで絵の具を溶くときが楽しくて、その延長でキャンバスに描いている」と高さん。
「色を組み合わせることが楽しくて、この色も良いなあと遊びながら作った」ことが、チューブから出したままの形が残る絵の具や、ライブ感のあるペインティングナイフの跡からも伝わってきます。
一貫して制作し続けている「花」を用いた作品
《Sonata of Light #10》
「小さい頃から花が身近にあって好きなので、花屋で花を見ると使いたくなる」と高さん。花も光をイメージさせるものとして、本展でも花の写真を用いたコラージュを3点展示しています。「花の写真をどうすればうまく見せられるのか。映画のセットにあるような雰囲気のある絵にできるか考えて制作している」と言います。
観る人にさまざまなイメージを想起させる造形
《Sonata of Light #07》
《Sonata of Light #07》ではニスの塗られていない部分もあり、盛り上がった絵の具のぽってりとした質感がかわいらしく、一つひとつがモンスターのようにも見えてきます。白と組み合わせた作品は「お寿司に見える」という感想もあったそうで、観る人にさまざまなイメージを想起させるチャーミングな造形なのだなと実感。
札幌の街に色があふれてくる今時期にぴったりの展示なので、ぜひ足を運んで、思い思いに絵と戯れてみてください!
高幹雄個展「光のソナタ」
■開催日時:2026年4月28日(火)~5月17日(日)
・日曜、火曜、水曜、木曜:10:30-19:30(L.O.19:00)
・金曜・土曜:10:30~20:00(L.O.19:30)
※月曜(5月4日、5月11日)は休廊
■料金:入場無料
■会場:TO OV cafe / gallery(札幌市中央区南9条西3丁目2-1 マジソンハイツ1階)
『高幹雄個展「光のソナタ」』の詳細や地図情報はこちら
ライタープロフィール
ライター 松田 仁央
2007年から2010年まで「WG」というフリーペーパーを発行しつつ、2010年からフリーランスのライターとして活動。舞台芸術と美術が特に好きです。2002年頃からギャラリー等で絵画を中心に作品を購入しています。ここでのレポートが、誰かが「自分の一枚」に出会うきっかけになったら嬉しいです。
