NHK北海道で2021年4月からスタートした『ローカルフレンズ滞在記』。“地域にディープな人脈を持つ「ローカルフレンズ」のもとにディレクターが1か月滞在し、地域の宝を見つけます。”という企画で、これまでの「取材」とは全く違うやり方で、北海道各地域の魅力を掘り下げています。

Domingoも注目しているこの企画、実際に取材されたディレクターの方がみた地域の様子はどのような姿だったのでしょうか。

4月の宗谷編を担当されたNHK札幌放送局の越村ディレクターへのインタビュー、後編です！

（前編はこちらからどうぞ！）

－他に印象的だったことはありましたか？

地域に根を張って頑張っている人に話を聞けたというのは、自分にとって大きかったと思っています。僕は出身が神奈川県の川崎市で、東京のベッドタウンの生まれです。また、社会人になって丸4年になるんですけど、初任地が札幌でこれまた都会で。川崎にしろ札幌にしろ不便がないというだけで、何かがあるから住んでいるということではありませんでした。

なので正直自分の出身や住んでいる場所については長所にしろ短所にしろ、特段語ることがないと思っていて。川崎がどんなまちかと聞かれても「東京のベッドタウンで田園都市線が通っていて...」というぐらいしか語ることがないなと思っていて、地域が自分のアイデンティティになってなかった。それは自分で寂しいと感じる時もありました。

取材中の越村ディレクター（左）

今回取材で会えた方は、その場所で暮らしていく意味を見出していたり、意味をつくろうとされている方々だったので、純粋に違った考え方で生きている方々にお話を伺えたということは本当によかったです。

正直稚内で言うとたこしゃぶと宗谷岬のイメージしかなかったですし、豊富町も豊富温泉に行ったことがあったぐらいだったので、実際行ってみるとそういったところ以外の魅力がたくさんあって、すごく新鮮な体験でした。

豊富町の上坂仁哉さん（左）と越村ディレクター（右）

また、今まで浅いイメージしか宗谷になかったのが、猿払だったらイトウを守る人、豊富だったら音楽やバンドに力を注ぐ人、稚内はスノーボードという、今まで知らなかった魅力を知ることができました。

猿払村の佐川康雄さん

豊富町の上坂仁哉さん

稚内市の木村亘さん

稚内市の阿部迅市郎さん

滞在を通じて出会った方々は「このまちにはこんな面白い人がいて」「このまちでこんなことをしたい」というのを熱く語って、どんな形にしろ地域に関わりをもって、その場所で生きる意味を見出したりつくろうとしていて、その姿をみて尊敬に変わったといいますか。こういう人たちがいる宗谷って、「魅力」というより一歩進んで「尊敬」という気持ちです。

－越村さん自身にとっても宝物を手に入れたような気分だったりするんですね。

そうですね。宗谷って札幌から電車で5時間以上かかってものすごく離れている感じがするんですけど、こうやって人に会って知ることができると心の中の距離は近くなるといいますか。それでいうと、そういう場所って宗谷だけではなくて全部そうなんだろうなと。遠いから行ったことがなくて、人の顔が見えないから、それこそ宗谷だとたこしゃぶと宗谷岬だけのイメージになっちゃうだけで、他の地域でも知ればものすごく身近に感じるような場所ってたくさんあるんだろうなって思えるようになりましたね。

－番組の中で越村さんが自撮りでレポートをされてましたが、その時の地域の方との空気がものすごくいいなと思っていました。なんだか家族のような感じで話されていたのが印象的でした！

宗谷編のローカルフレンズの尾崎さんはゲストハウスを営まれてますが、僕はその共有ラウンジでずっと作業をしていて、休日もずっとそこでコーヒーを飲みながらぐだぐだ過ごしたりしていたので、やっぱり普通の取材でなく滞在だからこそ遊びの時間もあって、尾崎さんもフロントにずっといらっしゃったので、一緒に話をすることができたなと思います。

ローカルフレンズの尾崎篤志さんとゲストハウス「THE STAYWAKKANAI」

他の場所でもそうで、利尻に行ったら利尻に長く泊まって、スマホ中継をしたお店で作業していましたし、長い時間ずっと過ごせるという滞在だからこそ、ああいった雰囲気になったのかなと思います。

中継の様子

みなさん、いかがでしたでしょうか？
『ローカルフレンズ滞在記』では4月に宗谷地域、5月は喜茂別町、6月は弟子屈町を紹介してきました。それぞれの様子はNHK北海道さんのブログでもまとめられていますので、ぜひご覧ください！

『ローカルフレンズ滞在記』スタッフブログ

北海道の様々な地域の魅力を紹介している『ローカルフレンズ滞在記』。みなさんも番組を通じて地域のディープな魅力に触れてみてくださいね。