Domingo編集部
Domingoも注目しているこの企画、実際に取材されたディレクターの方がみた地域の様子はどのような姿だったのでしょうか。今回は4月に放送された宗谷編を担当したNHK札幌放送局の越村ディレクターにお話を伺うことができました!まずは前編をお届けします。
-越村さん、よろしくお願いします!
よろしくお願いします!
-番組の主旨を聞いた印象はいかがでしたか?
『ローカルフレンズ滞在記』のコンセプトは僕を含めた何人かの若手ディレクター4人で話し合ってきたのですが、自分ではないディレクターが今の企画の案を出したんです。自分が企画の第一弾を担当するとは思っていなかったのですが、最初に聞いたときは素直に面白いんじゃないかなと思いました。単純に他では聞いたことがない番組でした。
地域と関係を築いてディープな魅力を伝えたいというのは、前身の『#ローカルフレンズ出会い旅』の時から言っていましたが、ディープな魅力を伝えるにはその地域にずっといるのが一番なので、自然な方法だと思いました。
-4月に放送された宗谷編のローカルフレンズ尾崎篤志さんとはどのようなやり取りをされたのでしょうか?
尾崎さんとはじめてコンタクトをとったのは2月の下旬でした。まずはお電話をして、その後1回は顔合わせをした方がいいと思い、3月の頭に稚内へお邪魔してお話をさせてもらいました。その場で数名「こういう方がいて」といった話を聞き、直接お電話などもさせてもらいました。
-今回の取材をする前はどのようなことを感じていらっしゃいましたか?
これまで自分がやってきた番組と制作スタイルが全く違っていたので、行く前は不安が大きかったです。基本的に入念に下調べして、取材対象を決めることが多いので。そうじゃないぶっつけ本番の撮影スタイルがはじめてで、ストーリーとかを映像で伝えられるかという保障がないというのがとても不安でした。地域の方々と時間をかけて準備を進めてきたということがあるので、その方々に恥ずかしくない番組にしなければというプレッシャーがありました。
-事前に地域のことは色々と調べられたのでしょうか?
実はほとんど下調べしていないんです。事前に尾崎さんから教えていただいた方へお電話した時は「私が滞在する月にそこにいらっしゃいますか」という話だけしていました。実際に私が滞在するときにいらっしゃらなかったら取材出来ませんので。
-滞在初日はどのような感じでしたか?
初日は3月28日でした。まずは尾崎さんのところに行って、お昼ご飯を食べているときに、「稚内の面白い方を紹介してもらえませんか?」と聞いたら、番組でもご紹介したスノーボード店の木村亘さんを紹介されて。お昼ご飯を食べ終わって、すぐバスに飛び乗って会いに行ってました。お話を聞いて2時間後ぐらいにはもう会ってカメラを回していたんじゃないかな(笑)
-そんな感じだったんですね!その時はおそらくまだ不安な感じですよね。
そうですね。事前準備ができないので、木村さんからお話を伺っている間も、何が撮影できるか不安でした。ただ不安だけではなくて期待感や高揚感のようなものもありました。普段の取材は複数人で行ってますが、今回は全部一人でやるということで、決められているのは「ローカルフレンズを通じて地域の魅力を探す」ということと「木曜日には放送を出す」という期日だけです。どう取材して、どう撮影して、どう編集するかということは全て任されてました。なので、コンテンツに集中することができて、始める前から楽しみでしたね。
-全体を通じて印象深かった出来事などはありましたか?
いろいろありましたが、利尻島の髙橋哲也さんにすごくお世話になりました。尾崎さんに紹介されてフェリーで待ち合わせしまして、そのあと島で撮影などをし終って車に乗せてもらっているときにボソッと「島を盛り上げるには一人じゃできないんだよね」というようなことを話されていて。
髙橋さんは元々本業としては島で商店を営まれていて「島の何でも屋さん」みたいな感じで忙しくされているのに、さらにまちづくり団体の代表もされていて日本酒のプロデュースやイベントを実施していらっしゃいました。その背景には危機感があって、自分のお店が成り立っていくためには島全体を元気にしていかないといけないし、島のことを考えるには自分の足元を固めないといけないし、という自分の生活と島の未来が直結している中で、がんばっていらっしゃいました。
島全体を盛り上げていく中で自分一人だけでやるのには限界があって、それを大きなことにしていく為には仲間を集めていかなければいけない。だけどなかなか全員が全員すぐ仲間になってくれる訳でもないという、奮闘の裏にそういった苦労などがあるというのが垣間見えて、車の中での一言はリアルな言葉として感じました。
(お話は後半へ続きます!)