Domingo編集部
岩見沢市に、ガソリンスタンドならぬ温泉スタンドが存在するのをご存じでしょうか?そこでは誰もが温泉を汲んで持ち帰ることができます。温泉の名は「ポンネ湯」という可愛らしい響きですが、良質かつ貴重な泉質で、かなり人気のようですよ!
温泉スタンドがあるのは、岩見沢市栗沢町万字の道路(道道38号線)脇。大きく「ポンネ湯」と書かれた看板が掲げられている小屋が今回の目的の場所です。通常の温泉施設に負けていないほどの濃厚な硫黄の匂いに、自ずと期待も高まります。
どこから温泉が汲めるのだろうと、それらしきホースを持ち上げてみたところ、出るわ出るわ!すごい勢いで温泉が流れ出してきます。これが噂のポンネ湯です。
色は無色透明。温度は約10℃ほどの冷泉です。泉質は道内でも珍しい弱アルカリ性硫黄泉で、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹、冷え症などにも効能があるとされています。
温泉水を家庭で楽しむ場合、浴槽が200リットルだとすれば、やや熱めのお湯を7割程度張り、20リットルポリタンクで持ち帰った温泉水を1~2本加えるのが目安です。温泉水をそのまま使用すると、風呂釜や配管などの故障の原因になることもあるので、ご注意を。
ポンネ湯は誰でも汲んで持ち帰ることができますが、スタンドに寄付金を入れる受入口があり、金額は利用者の判断に任されています。この良質な温泉を維持するために、ぜひ協力してくださいね。
それにしても、どうしてこんな道路沿いに温泉スタンドがあるのでしょう?聞けば、もともとこの近辺では岩の割れ目などから温泉が湧き出る箇所がいくつかあったのだそう。そこで有志によって山中の泉源から住宅街までパイプを敷設し、温泉を取水できるようにしようと計画が持ち上がったのです。
パイプを敷設する距離は、4kmにわたりました。雪解け水でホースが抜けたり、熊にホースをかじられたり、さまざまなハプニングに見舞われながらも、なんとか住宅街まで温泉を通すことに成功。私たちもその恩恵にあずかることができる、というわけです。
ポンネ湯の素晴らしい泉質の噂を聞きつけて、他市から汲みに来る人も多いのだそう。岩見沢市に行く用事がある時は、ポリタンクを持って温泉スタンドに立ち寄ってみてはいかがでしょう。もちろん、受入口に入れる寄付金のご用意もお忘れなく!
<取材協力>
一般社団法人 岩見沢市観光協会
所在地:北海道岩見沢市有明町南1番地1 岩見沢複合駅舎1階
問い合わせ先:0126-22-3470
公式サイト:https://iwamizawa-kankou.jp/
<写真撮影>
laufen克
ライタープロフィール
北海道観光カメライター ぶちねこ
北海道の観光スポットや観光施設につながりをたくさん持ってる「ぶちねこ」です。北海道に住んでいると当たり前に思っているものでも、素晴らしい資源がたくさんあります。そんな素敵な北海道の魅力を発信していきます。