火災で焼失した江別・大麻銀座商店街のギャラリーは、それでも歩みを止めない―若手作家を支える「PORT OF ARTIST」の挑戦|Domingo

火災で焼失した江別・大麻銀座商店街のギャラリーは、それでも歩みを止めない―若手作家を支える「PORT OF ARTIST」の挑戦

2026年1月7日に発生した火災で大きな被害を受けた江別市・大麻銀座商店街。昨年11月にオープンしたばかりの「PORT OF ARTIST Gallery(POA Gallery)」も焼失してしまいました。それでも運営団体は歩みを止めず、若手作家の発表の場を守ろうと新たな挑戦を続けています。いま私たちにできる支援とは何か――その現状と未来への思いを取材しました。

火災で焼失した「PORT OF ARTIST Gallery」。若手作家の拠点を襲った突然の出来事

POA Gallery 合同展

昨年11月に開催された合同展より(写真提供:POA Gallery)

「PORT OF ARTIST Gallery」は絵画、イラスト、立体作品、音楽、映像、文学など、ジャンルを問わずに若手作家・クリエイターをサポートするプロジェクト「PORT OF ARTIST (以下POA)」の活動の一環として、2025年11月に大麻銀座商店街内にオープンしました。

▼11月に開催された登録作家6名による正式展示第一弾のレポート記事はこちら


「POA Gallery」を運営するのは、江別を拠点に長年若者のサポート活動を行ってきたNPO法人みなと計画。5年かけて準備してきた「POA」とその活動拠点となるギャラリーを開設後、12月には「POA」の仲間を募るクラウドファンディングもスタート。「いよいよ本格スタートだ!」と意気込んでいた矢先に、商店街の火災が発生。残念ながら、ギャラリーは完全焼失してしまいました。

POA Gallery 消失

変わり果てたギャラリー内の様子(写真提供:POA Gallery)

同じ大麻銀座商店街で再始動!場を提供してもらい合同展を開催中

 ギャラリー手楽

和食いちかわ内にある「ギャラリー手楽」。店舗は冬季休業中(写真提供:POA Gallery)

「(火災が起きて)まさかこんなことになるとは...と呆然としましたが、ありがたいことに同じ大麻銀座商店街にある『ギャラリー手楽』さんから2月合同展の会場提供のお話をいただきました。登録作家に声をかけたところ、みんな『やる!』と言ってくれて」と話すのは、長らく商店街を拠点に活動を続けているみなと計画の橋本正彦さん。

チラシデザインやキャプション制作など、出展作家がそれぞれできることを分担し、2月1日から「PORT OF ARTIST所属作家による合同展 足跡のゆくえ」を無事開催することができました(会期は3月1日まで)。

PORT OF ARTIST所属作家による合同展 足跡のゆくえ

7名の登録作家が出展。会期中は橋本さんも在廊(写真提供:POA Gallery)

「ギャラリーは『POA』というプロジェクトを象徴する場になる予定でしたが、焼失したからと言って、できることがなくなったわけではありません。登録作家の作品発表の場という意味でも、皆がどこで発表したいのか、発想を道内外に広げて話し合うこともできます。ご相談があれば、いつでも問い合わせをしてほしいです。」(橋本正彦さん)

EVENT 「PORT OF ARTIST」の合同展第2弾「足跡のゆくえ」

合同展「足跡のゆくえ」

■開催日時:2026年2月1日(日)~3月1日(日)の期間の内、木~金曜 11:00~18:00
■料金:入場無料
■会場:ギャラリー手楽(江別市大麻東町13-37 大麻銀座商店街 和食 いちかわ (Ichikawa)内)
『「PORT OF ARTIST」の合同展第2弾「足跡のゆくえ」』の詳細や地図情報はこちら

未来へつなぐための支援を。若い世代の表現や創作を応援

最後に、今回の火災で周知がストップしてしまったPOAのファンディングや、火災を機に立ち上がった商店街のファンディングをご紹介します。

まずはPOAのマンスリーサポーターを募集するクラウドファンディングです。

PORT OF ARTIST クラウドファンディング

「一緒にプロジェクトを運営していく仲間を募る」クラウドファンディング

「若い世代の表現や創作を応援したいと思ってくださる方は、少なからずいると思っています。どういう形で応援すれば良いのか、どのような関わりを若い作家と持てるのか、なかなかわからない方も多いのではないでしょうか。そういう方に、このPOAのクラウドファンディングが届くと嬉しいです」(橋本正彦さん)

■「一緒にプロジェクトを運営していく仲間を募る」クラウドファンディングはこちら

次に、みなと基金。

みなと基金

30歳以下の若者なら365日いつでも申請できる給付型の「みなと基金」

「私たちの活動のベースとなる基金です。これがあることで、POAや商店街に関わっている若者が困ったときなど、どのような状況にも柔軟に対応することができます。ジャンルを問わず、若い人たちにお金を理由に夢を諦めてほしくないと思う人がいれば、まずこの基金に寄付してもらえると嬉しいです」(橋本正彦さん)

■「みなと基金」はこちら

そして、江別市大麻銀座商店街支援ファンドです。

江別市大麻銀座商店街支援ファンド

こちらの窓口は北海道災害復興支援基金

「この商店街があることで、いろいろな背景を持つ若者が気の合うコミュニティ(店舗)に辿り着き、そこで過ごし、旅立った後もいつでも戻ってくることができます。若い方が気軽に挑戦できる場を街の中に用意しておくことは大切で、商店街の復興に向けた会議でもその視点は外せないという意見が出ています。まったく同じものが再建されなくても、きっとまた若い世代が立ち寄って育まれていくような一角が生まれることでしょう」(橋本正彦さん)

■「江別市大麻銀座商店街支援ファンド」はこちら

上記の三つの基金は、創作活動、暮らし全般、コミュニティと切り口は異なりますが、根底にある「若い世代を育む」という思いは同じです。どこかピンとくるところがもしあれば、ぜひ支援していただけたらと思います。「POA Gallery」がいつか再びリアルな場として商店街に戻ってくる日も願いつつ、現在開催中の合同展にもぜひ足を運んでみてください!

ライタープロフィール

ライター 松田 仁央

2007年から2010年まで「WG」というフリーペーパーを発行しつつ、2010年からフリーランスのライターとして活動。舞台芸術と美術が特に好きです。2002年頃からギャラリー等で絵画を中心に作品を購入しています。ここでのレポートが、誰かが「自分の一枚」に出会うきっかけになったら嬉しいです。

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