北海道の魅力が詰まった作品が勢揃い!「北海道遺産フォト&短歌チャレンジ2025-2026」入賞作品発表|Domingo

北海道の魅力が詰まった作品が勢揃い!「北海道遺産フォト&短歌チャレンジ2025-2026」入賞作品発表

歴史

暮らし

カルチャー

/

北海道

次世代へ引き継ぎたい北海道の有形・無形の財産「北海道遺産」。全部で74ある北海道遺産をテーマに写真と短歌を募った「北海道遺産フォト&短歌チャレンジ2025-2026」の入賞作品が発表されました。力作ぞろいの作品たちは、北海道の魅力を再発見するきっかけを与えてくれます。写真と短歌で表現された北海道遺産の魅力を、ぜひお楽しみください。

フォト部門:グランプリ&準グランプリ

グランプリ

新川 凌央 / 望郷

あやめヶ原原原生花園

■題材 / 撮影場所・時期
北海道の馬文化(ばん馬、日高のサラブレッド、北海道和種馬など) / 原生花園あやめヶ原・2023年9月

■本人コメント
美しい馬の背、霧の切れ間に。

■審査員講評
とても美しく、ストーリーを感じる写真だと思いました。霧がかった岬の景色と夏の終わりの空気感、凛とした馬の背中がとても素敵です。この馬が何を思い、どんな表情でこの景色を見ていたのだろうか、と想像をかき立てられます。

準グランプリ

・倉田 亮一 / 光芒に見惚れる

野付半島

■題材 / 撮影場所・時期
野付半島と打瀬舟 / 野付半島・2025年2月

■本人コメント
冬の野付半島を訪れました。陽が傾き始めた頃、雲の隙間から差し込んできた光芒に見惚れていた時、同じように光芒に見惚れているオスのエゾシカが一頭いました。

■審査員講評
とてもドラマチックで映画のワンシーンのような美しい画に引き込まれました。全体にモノトーンのような抑えめの色合いながら、光が暖かくやわらかな階調なこともあり、何かを予感させるような一枚になっていると感じました。エゾシカも効いていますね。

・奥谷 忠浩 / 港を守り続けて1世紀

小樽港

■題材 / 撮影場所・時期
小樽みなとと防波堤 / 小樽港・2025年11月

■本人コメント
波が激しく打ち寄せる日、防波堤に守られた港は静かに茜色の空を映し出していました。

■審査員講評
絵画のような不思議で夢のような雰囲気がとても印象的で、構図の巧みさが活きていると感じました。一瞬、船が浮かんでいるかのように見える区切りの部分が防波堤で、そこから海の様子が違っていることに気が付くと印象が変わって見えるのも面白いです。

短歌部門:グランプリ&準グランプリ

グランプリ

空木洞

金棒を引きずりながら赤鬼が描く魔法陣きみにあいたい

■題材
登別温泉地獄谷

■本人コメント
地獄谷に多くあった鬼と金棒のモチーフに着想を得ました。

■審査員講評
たしかに登別温泉の鬼は赤鬼で、しかも金棒を引きずるように持っているな。という共感と、そこからの最後の七音のきみにあいたいへの飛躍が予想できずにすごいと思いました。きみにあいたいをひらがなにした訳は作者さんに聞いてみたいです。

準グランプリ

・伊都

七月の終わりでも歯が合わぬ地でずっと夕焼ばかり見ていた

■題材
霧多布湿原

■本人コメント
北海道を旅した時一番寒かったです。

■審査員講評
一枚の写真のような、韻律もとてもいい綺麗な一首だと思いました。霧多布の寒さが歌からにじみ出てきているようです。感情を歌っていないので、読む人が想像できるのもいいと思いました。

・仲川 暁実

「地球儀のどのへんだろう」ガリゴリと流氷削り進む僕らは

■題材
流氷とガリンコ号

■本人コメント
昔家族でガリンコ号に乗りました。真っ白な流氷たちを割りながら進む姿に、まだ知らない世界が切り開かれているような感覚になったのを思い出し作りました。

■審査員講評
地球のどのへんだろう?ではなくて地球儀のどのへんだろう?というのがおもしろいと思いました。ガリガリやゴリゴリではなくガリゴリという音選びもとてもいいと思いました。

フォト部門:入選

・穂刈 正昭 / スキートレース

ニセコ町五色温泉付近

■題材 / 撮影場所・時期
スキーとニセコ連峰 / ニセコ町五色温泉付近・2021年1月

■本人コメント
ニセコモイワ山、山スキーのトレースが綺麗でした。

・新村 本広 / 幾何学の街をゆく

路面電車

■題材 / 撮影場所
路面電車 / 札幌・2025年12月

■本人コメント
横断歩道の幾何学的なラインとそこに進む市電の曲線美が美しく、交差点を横切る一瞬を切り取りました。

・前川 忍 / 凍結と通過

石狩川

■題材 / 撮影場所・時期
石狩川 / 石狩市当別町・2025年1月

■本人コメント
半分凍結した川面に、季節の逡巡が刻まれる。その上を貫く線路は、時間だけが前へ進むことを静かに示していた。

・Shunto / 太陽は見てきた 石狩川の刻

石狩川

■題材 / 撮影場所・時期
石狩川 / はまなすの丘公園・2025年10月

■本人コメント
はまなすの丘公園から望む石狩川流域の夕景。
この地で太陽は、開拓以前の原風景から人々の営み、そして現在へと続く長い歴史の刻を見つめ続けてきました。石狩川は北海道開拓の大動脈として、多くの人の暮らしを支え、文化を育んできた存在であると思います。
北海道遺産であるこの場所で、太陽とともに刻まれてきた石狩の歴史を、一瞬の光として写真に収めました。
この太陽は、石狩川を知る“時の証人”である。

・川角 晃平 / ひっそりと

十勝監獄石油庫

■題材 / 撮影場所・時期
北海道の集治監(樺戸、空知、釧路、網走、十勝) / 帯広市・2025年2月

■本人コメント
いまも緑ヶ丘公園に残る十勝監獄石油庫は、ひっそりと公園内に溶け込んでいます。

・山内 佳子 / みどりの季節

石山緑地

■題材 / 撮影場所・時期
札幌軟石 / 石山緑地・2024年5月

■本人コメント
雨が上がりそうな瞬間の石山緑地ネガティブマウンド。晴れた日もいいけれど、この様な天気の札幌軟石見学も趣があります。水たまりに季節を入れ込んで撮影しました。

・倉田 亮一 / 冬のナラワラ

野付半島

■題材 / 撮影場所・時期
野付半島と打瀬舟 / 野付半島・2025年2月

■本人コメント
初めて訪れた野付半島。冬のナラワラは不思議な光景でした。

・畑端 憲行 / 湖面に降り注ぐ銀河

摩周湖

■題材 / 撮影場所・時期
摩周湖 / 摩周湖・2025年6月

■本人コメント
真夜中の摩周湖に銀河が照らされ、いかにも天の川と演出しているようだ。

・鈴木 崇吾 / 松が導く文学館

三浦綾子記念文学館と外国樹種見本林

■題材 / 撮影場所・時期
三浦綾子記念文学館と外国樹種見本林 / 旭川市・2026年1月

■本人コメント
喧騒を離れ、四季折々の静かな時間が流れる空間です。

・佐々木 郁太郎 / 霞の丘陵

宗谷丘陵風力発電群

■題材 / 撮影場所・時期
宗谷丘陵の周氷河地形 / 稚内市 宗谷丘陵 風力発電群・2025年8月

■本人コメント
夜が明けて沈みゆく月と宗谷丘陵に建つ風力発電の風車群の風景です。丘陵のくぼみに朝霧が出て幻想的な雰囲気になっていました。

・廣野 令樹 / 還る

タウシュベツ川橋梁

■題材 / 撮影場所・時期
旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群 / 糠平湖・2026年2月

■本人コメント
役目を終えたタウシュベツ川橋梁が雄大な自然の力を受けて大地に還りゆく姿を撮影しました。

・塚原 蓮 / 帰る場所へ

清里町さくらの滝

■題材 / 撮影場所・時期
サケの文化 / 清里町さくらの滝・2025年7月

■本人コメント
激流を遡る一尾のサケ。厳しい自然の中でも命を未来へとつなぐ力強さを、水しぶきとともに写し止めました。

・津山 みづえ / 神の道

御神渡りで

■題材 / 撮影場所・時期
野付半島と打瀬舟 / 標津町茶志骨・2026年01月

■本人コメント
春と秋にはシマエビ漁の帆掛け船(打瀬舟)が見られる事で有名な野付湾ですが、冬は凍ってしまいます。そんな湖面を見ていると、氷が重なり山脈の様に続く道が遠くまでできていました。御神渡りでしょうか?厳しい寒さの中で見られた神の道は、とても神秘的ででした。

・adnao708 / 静かに桜

松前城の桜

■題材 / 撮影場所・時期
福山(松前)城と寺町 / 松前城・2024年4月

■本人コメント
武家屋敷周辺の静かに咲く桜がとても綺麗で素敵でした。

・穂刈 正昭 / 河口の夕暮れ

河口の夕暮れ

■題材 / 撮影場所・時期
石狩川 / 石狩灯台近傍・2021年4月

■本人コメント
春の夕暮れ、夕日が映って綺麗でした。

短歌部門:入選

・ルカーノ

キタキツネ目と目が合えば旅の果てこの静けさが答えだったと

■題材
小樽の鉄道遺産

■本人コメント
北海道の自然と「人の内面の旅」を重ね合わせた詩的表現。

・DAZZA

雪が海へ消えゆくように対岸の灯へと溶け行く貨物船の灯

■題材
函館西部地区の街並み

■本人コメント
七重浜から見た対岸の赤レンガ倉庫を美しさを思い出しました。

・田島ぶくま

学び舎で幾度も歌ったこの川は今も家の近くを流れる

■題材
石狩川

■本人コメント
小さな頃、校歌の歌詞としてなんとなく歌っていた「石狩川」。大人になってからその存在を、風景としてのありがたさを強く感じるようになりました。

・井ノ口 皓

ケンケンパッ七十本の円柱の影をケンケン防波堤ドーム

■題材
稚内港北防波堤ドーム

■本人コメント
長い脚と跳躍力を持っていなければ出来ないけれど、ケンケンパッで飛んで行ったら面白いと影を見て思いました。

・小田 早紀

カーナビに映る地名をどや顔で内地の人に披露する声

■題材
アイヌ語地名

■本人コメント
本州から友達が来て、北海道の地名が読めると「すごーい!」と言われるので、ついつい自慢げに読んでしまいます。当て字でアイヌ語由来の地名であることが誇りと同時に、これからも残していきたいです。

・本田 彩華

星型に守れなかった夢があり春の桜はそれを責めない

■題材
五稜郭と箱館戦争の遺構

■本人コメント
日野出身で新選組に親しみのある立場から、五稜郭を勝敗ではなく「志が残した痕跡」として捉えた。守りきれなかった理想を、春の桜が裁かずに包み込む情景を通して、歴史との静かな向き合い方を表現している。

・ミタヤヨイ

君がいた路面電車の通学路時が止まって春動き出す

■題材
路面電車

■本人コメント
函館の路面電車が懐かしいです。

・八巻 孝之

路面電車軌道を行く街の音朝日浴びつつ日常刻みぬ

■題材
路面電車

■本人コメント
路面電車が日常の風景と街の息づきをつなぐ様子を表現しました。

・渡辺 秀夫

馬たちの暮らす余生に幸あれと愛し見守る日高牧場

■題材
北海道の馬文化(ばん馬、日高のサラブレッド、北海道和種馬など)

■本人コメント
馬が生まれ、育て、帰省ごの幸を願う、そんな牧場の心を詠みました。

・武田 まゆ

暗い道下へ下へと掘り進み上へ上へと灯火運ぶ

■題材
空知の炭鉱関連施設と生活文化

■本人コメント
小学生の時に社会科見学で石炭の歴史村に行き、エレベーターで地下の坑道に向かった時を思い出して詠みました。

・大泉 力也

ウィスキーでグラス満たしてそこでしか釣れぬ大きなさかなが泳ぐ

■題材
ニッカウヰスキー北海道余市蒸溜所

■本人コメント
ニッカウイスキーにしかない雰囲気や味わいがあることを表現した。

・優しさの詰まったお土産

モール湯のハンドクリーム携えて蕎麦屋ののれんくぐる先輩

■題材
モール温泉

■本人コメント
蕎麦屋の祖母は手が荒れがちです。先輩が祖母を気遣って、モール温泉のハンドクリームを届けてくれました。常連客の優しさを、天然の化粧水の温かみで表現できたらと思い応募しました。

・やーくん

あの頃と同じ季節の道ばたで変わらずに咲く千島桜よ

■題材
千島桜

■本人コメント
千島桜は今も昔も美しい花が咲きます。

・貴田 雄介

次にいつ会えるかわからない人と汁まで啜るラーメンだった

■題材
北海道のラーメン

■本人コメント
遠距離恋愛をしていた頃の事を思い出しました。

・崎本ミナト

「したっけね」路面電車の後ろからずっと見えてる母に手を振る

■題材
路面電車

■本人コメント
母と別れるときの切なさを表現しました。見えているとずっと手を振りたくなります。

フォト部門:審査員総評

クスミエリカ(フォトグラファー、美術作家)

クスミエリカ

1982年生まれ、北海道札幌市出身。広告、記録などをメインにフリーランスとして撮影に従事。美術作家としては、自身で撮影した写真のみを素材とし、デジタル処理を施した「デジタルコラージュ」作品を制作。時間も空間も異なる現実の風景を重ね合わせ、非現実な世界を再構成し、日常の延長線上に存在するかもしれないもう一つの世界を表現する。 主な展覧会に、「神田日勝×クスミエリカ 不在の気配、存在の痕跡」(神田日勝記念美術館、北海道、2025)、個展「温故知新」(SANHO ART LABS、台湾、2024)、個展「私たちは積層で出来ている」(GALLERY MONMA、札幌、2024)、「VOCA展2019」(上野の森美術館、東京、2019)など。2020年札幌市文化奨励賞、道銀芸術文化奨励賞受賞。

「フォト部門」総評

緻密な構図で練られている写真が多く、見応えがありました。今回は、北海道遺産としての美しさから一歩踏み込み、物語を感じさせる作品を中心に選出しました。しかし、選外にも心に響く写真が数多く存在しました。

同一の撮影地では似た構図も見受けられたため、季節や時間帯、視点を変え、未踏の地を探求することで、きっとより独自の表現になるはずです。この美しい北海道、共に撮り続けていきましょう!

短歌部門:審査員総評

岡本雄矢(スキンヘッドカメラ:お笑い芸人、歌人)

岡本雄矢

1984年北海道生まれ。歌人であり、お笑い芸人。スキンヘッドカメラのボケ担当として活動。
トホホな日々を、切なくも温かい目線で読んだ短歌が共感を呼び北海道新聞ほかで連載を持つなどし、短歌とエッセイを収録した初の著書「全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割」(2022年4月27日発売/幻冬舎)では各界の著名人からの推薦文を頂くなど多くの反響を呼んだ。
その後「センチメンタルに効くクスリ~トホホは短歌で成仏させるの~」(2024年2月1日発売/幻冬舎)を発売。
今年、初の小説「僕の悲しみで君は跳んでくれ」(2025年5月15日発売/幻冬舎)が好評発売中。

「短歌部門」総評

600を超える予想以上の多さの短歌ありがとうございます。楽しく読ませていただきました。僕は自分だけの歌を歌えている方を優先的に取りましたが、他の人が選ぶとまた別の結果になると思います。これを機にまた短歌、そして北海道遺産にも興味が続くことを願っています。

  1. ホーム
  2. Domingo 記事
  3. 北海道の魅力が詰まった作品が勢揃い!「北海道遺産フォト&短歌チャレンジ2025-2026」入賞作品発表