雄大な自然を有し多様な野生動物が生息する北海道は、世界中の多くの人を魅了してきました。そして、昨今注目されている「アドベンチャートラベル（AT）」は、北海道がもつ可能性をより大きく広げるものとして注目されています。今回は、アドベンチャートラベルと北海道がもつポテンシャルについてご紹介します。

アドベンチャートラベルとは、一般的に『アクティビティ』『自然』『異文化体験』の3つの要素のうち、2つ以上を組み合わせた旅行のこと。北海道においては、『アクティビティ』はカヌーやラフティング、トレッキングやスキーなど、『自然』は北海道が誇る美しく雄大な景観など、『異文化体験』はアイヌ文化や縄文文化、食や歴史などが当てはまります。

アドベンチャートラベルを推進する世界世界最大の組織「アドベンチャートラベル・トレード・アソシエーション（ATTA）」はさらに、『今までにないユニークな体験』『自己変革』『健康であること』『挑戦』『ローインパクト』といった5つの体験価値を提唱しています。例えば、アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行いながら、地域の方々とふれあい、その土地ならではの自然や文化を深く知ることで、自分の内面が変わっていく…といったような旅行です。

昨今、アドベンチャートラベルはサステナビリティや地域貢献を重要視する層から支持され、主にヨーロッパや北米、オーストラリアなどの富裕層を中心に人気が高まっています。

アドベンチャートラベルの世界市場規模は70兆円を超えると言われており、従来の旅行形態「マスツーリズム」と比較しても、旅行者一人当たりの消費額や地域への経済波及が大きいことから注目を集めています。一方、北海道におけるアドベンチャートラベルのポテンシャルは、世界自然遺産の知床をはじめとした「美しく雄大な自然」や「豊かな食」、アイヌ文化や世界文化遺産に登録された縄文遺跡群といった「北海道独自の文化」、そして自然を生かした環境の中で楽しむサイクリングやカヌー、スキーといった「多様なアクティビティ」と、胸を張って世界に誇れるものばかり。

北海道では、世界中約60カ国の関係者が集う「アドベンチャートラベル・ワールドサミット（ATWS）」が2023年9月11日～14日の期間に開催されます。アドベンチャートラベル・トレード・アソシエーションが主催するこのイベント。元々2021年9月に北海道で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響でバーチャル開催に。しかし、その際に発信された北海道をはじめとした日本各地の様子が多くの参加者に感銘を与え、2023年9月に改めて北海道でのリアル開催が決定しました。

アドベンチャートラベル・ワールドサミットはアジア・オセアニア地域では北海道が初開催。世界各国の旅行会社やメディア、ツアーオペレーター、アウトドアメーカー、政府観光局、観光協会、DMOなど約800名の関係者が北海道を訪れ、期間中は数多くのアドベンチャートラベルのツアー体験や講演会、セミナー、商談会が行われます。

北海道の魅力やポテンシャルを世界に示す機会となる今回のサミット。北海道におけるアドベンチャートラベルのさらなる可能性を切り開くものとして、大きな注目を集めそうです。