
Domingo 記事
釧路駅から車で1時間20分ほどの場所にある弟子屈町。火山の噴火によって大きく陥没したカルデラや溶岩ドームがそのまま風化してできた山など、地球のダイナミズムが生んだ絶景が“生活の身近”にある自然豊かな地域です。
そんな弟子屈町・摩周湖の近くに「ぽらりす」というペンションがあります。その名の通り星空が楽しめるアクティビティなど、同施設ならではの特徴も合わせてご紹介します。
「ぽらりす」ってどんなペンション?

2010年に弟子屈町でオープンしたペンション「ぽらりす」。現在は創業者でオーナーの馬場一郎さんと、その妻である綾奈さんのお二人で運営されています。お二人とも首都圏出身ですが、ひょんなことから弟子屈町とのご縁ができ、移住フェアを機に、本格的に移住を決めたのだそう。

馬場一郎さん(写真左)と綾奈さん(写真右)
そんなお二人が運営する「ぽらりす」に入ると、無垢材を使用した開放的な空間が広がります。

無垢材を使用した明るい館内

お食事は吹き抜け風ダイニングルームにて
「窓を開ければ、そこは北海道」というコンセプトそのままに、大きな窓の向こうには広大な畑が広がり、まさに“北海道らしい”絶景が。「自然と一体になった感覚を味わっていただければ」と綾奈さんは話します。

全3室の客室と客室の間には少しずつスペースが空いており、隣室の音を気にせずに過ごせるのもポイント。客室にテレビが設置されていないところにも、「静かな時間を楽しんでほしい」というオーナー・一郎さんの想いが込められています。
なお、客室は全室バストイレ付。好きな時間に利用できるのはうれしいですね。

24㎡の客室の浴室
また、全3室のうち1室はバリアフリー対応。フルフラットで車いすやベビーカーが乗り入れやすくなっており、広さも19㎡の他2室よりもやや広めの24㎡。浴室やトイレに手すりがあるなど、身体が不自由な方をはじめ、どんな方でも心地よく過ごせる工夫がすみずみまで行き届いています。

客室のトイレには左側に、廊下にある共用トイレには右側に手すりがあるなど、さまざまなニーズに対応できるよう工夫されている
星空案内人が案内する「星空ウォッチング」

そんな「ぽらりす」の魅力はなんといっても、「星空ウォッチング」です。都会と比較してはるかに街灯の数が少ない弟子屈町は、星を見るのにうってつけの環境。
さらに、「ぽらりす」のオーナーである一郎さんは小さい頃から星を見るのが好きだった“天文少年”で、のちに星空案内人の資格を取得。そのほか、弟子屈町の美しい星空を守るために「星空保護区」認定に向けて活動するなど、いわば“星空マスター”の一郎さんによる解説を受けられることが「ぽらりす」の大きな魅力の一つです。

「ぽらりす」で貸し出している天体望遠鏡はオーナーの一郎さんが小学生のときから愛用しているもの

条件が揃えば星空と記念撮影することも可能
また、カメラを持っている方には星空を撮影する方法をレクチャーしてもらえることも。もちろん、ただ星空の中に身を置き、静かに鑑賞してもOK。思い思いに星空を鑑賞できるよう、それぞれに合った楽しみ方を教えてくれますよ。

晴れの日の日の出
そのほか、「日の出ウォッチング」や「暗闇体験」などのアクティビティもあります。自然が豊かで街灯が少ない弟子屈町だからこその過ごし方をぜひ堪能してみてくださいね。
運が良ければ、猫メンバーに会えるかも?

猫メンバーのクマくん(写真右)とキキちゃん(写真左)
「ぽらりす」には「星空ウォッチング」以外にも特筆すべき点が。それは“猫メンバー”の存在です。知人から譲り受けたという猫メンバーは、黒猫のクマくんと、サビ猫のキキちゃんの2匹。
普段は事務所にいますが、気が向くとダイニングルームに出てきてお客さまのテーブルを回っておもてなししてくれることもあるのだとか。
特にサビ猫のキキちゃんは、しっぽの付け根をやさしくポンポンと撫でられるのが大好きなのだそう。猫メンバーさんの気分次第にはなりますが、ふれあいたい方はオーナーご夫妻に触り方などのレクチャーを受けてみてくださいね。
ぽらりす
■所在地:北海道川上郡弟子屈町札友内原野52線30番地3
■チェックイン時間:16:00~18:00
■電話番号:015-482-2622
「ぽらりす」の詳細と地図情報はこちら
ライタープロフィール
佐々木ののか
1990年北海道音更町生まれ。大学進学とともに上京し、2015年からフリーライターとして独立。2021年にUターンし、現在は生まれ故郷の十勝にて、馬1頭、猫2匹、子1人とともに暮らしながら、冬は狩猟者として鹿を追っている。著書に『愛と家族を探して』『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』(ともに亜紀書房)などがある。