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時計台のふもとに誕生!学生がつくり上げた新たなコミュニティスペース
今回話をうかがったTONKAN SAPPORO代表の大村莉乃(左)さんと、次期代表の渡辺啓太(右)さん
TONKAN SAPPOROは、札幌を中心とした土木建築やまちづくりに興味のある学生たちが中心となって運営するコミュニティスペース。フリーWi-Fiや電源、広い作業机、フリードリンクなどがそろい、学生は課題や制作、一般の人はPC作業や休憩など、自由に活用できます。
テーマに「建築・デザイン・まちづくり」を掲げていますが、必ずしも利用者がその分野に所属している必要はなく、誰でもふらりと立ち寄れる新たな“まちの拠点”です。
物件探しからデザイン、運営まで──学生たちがつくりあげた場
オープニングパーティーには場所づくりを一緒に行った学生たちが集合
大きな特徴は物件選びからデザインなど、場所づくりを学生中心に行っていること。プロジェクトは2024年12月に始動。建築学生の「自分たちで空間づくりを体験したい」という声がきっかけとなり、まずは候補物件を探すところからスタート。複数の候補を比較しながら、学生が通いやすい立地を重視して現在の場所を選びました。
オープニングパーティーの様子
内装のデザインは学生によるコンペ形式でアイデアが募られ、6案の中から札幌近郊の建築系教授3名の審査を経て現在のデザインが選ばれました。施工のメイン期間となった8〜10月には、最大40名ほどが現場に参加し、夏休みはほぼ毎日、授業がある時期は夕方から夜にかけて作業を進めたといいます。現在も20名以上が運営に関わり続けています。
現場では数多くの想定外にも直面しつつも、学生の挑戦をノウハウある工務店などが支え、施工協力や設計面での助言、業者の紹介など多方面で伴走。TONKANプロジェクト全体を支える一級建築士の顧問による助言もあり、学生主体でありながら現場の専門家や地域の技術が交わることで、リアルな学びの機会が生まれています。
使いやすい料金と空間。学生と企業・社会がつながる“居場所”に
TONKAN SAPPOROは、学生が使いやすい価格設定になっているのも特徴。建築・土木系の学生は無料で、その他の学生や中高生は1日300円、一般は600円。Wi-Fiや電源、フリードリンクが使えるため、長時間の作業にもぴったり。営業時間は平日の夕方から夜、土曜・日曜・祝日は午後帯が中心。誰が利用してもよいワークスペースとして開かれる一方で、作業のためだけでなく、仲間と相談したり、交流したり、コミュニティの拠点としても使われていくことが想定されています。
場所は札幌時計台のすぐ側。札幌時計台ビルの地下1階
オープン後は、先輩学生が講師となる建築系の学生向けのポートフォリオ相談会など、さまざまなイベントやワークショップの企画も。TONKAN SAPPOROは“学生と企業、地域が出会う場”として、学びと実践の循環を生み出そうとしています。
多様な学生が集まり未来が交差する“まちの拠点”
プロジェクトには、札幌市立大学や星槎道都大学、北海道職業能力開発大学校など、さまざまな背景を持つ学生が参加しています。設計が得意な学生と、実作業に強い学生が自然と役割を補完し合い、異なる学校の学びが交差する場になっています。大村莉乃さんは「大学の枠を越えたネットワークがつくれる場所にしたい」と語っています。
学生たちの挑戦が息づく、札幌の新しい“まちの拠点”。ぜひみなさんも足を運んでみてください。
TONKAN SAPPORO
■営業日:火曜・水曜・木曜 16:00〜21:00 / 土曜・日曜・祝日 13:00〜18:00
■定休日:月曜・金曜(祝日の場合は営業)
■料金:
・建築土木学生 無料
・その他学生 300円 / 1日
・一般・社会人 600円 / 1日
■所在地:札幌市中央区北1条西2丁目1 札幌時計台ビル 地下1階
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