Domingo 記事
巣をつくり、卵を温めるオオハクチョウの姿を発見
物語はオオハクチョウが巣をつくっていることに気づいたところからはじまります。ここからは、実際に写真を撮影されたEmi Kikuchiさんご本人のコメントと共にご紹介します。
5月に入り、白鳥のつがいが営巣しているのに気づきました。5月上旬、抱卵している様子を確認。
巣をつくっていることに気づいたEmi Kikuchiさん。ここから一部始終を記録
オオハクチョウは1ヶ月前後卵を温め続ける為、ヒナがかえるのは6月上旬頃だろうと思っていました。この画像は、5月下旬の抱卵中の様子です🥚
毎日懸命に温めている姿は心を打たれます。この時はなんだか疲れているような感じがしました。あと少し、頑張れ!と、遠くからエールを送りその場を離れました。
そしてついにヒナが誕生!
そしてそれから約10日後、5つほどあった卵のうち3つがかえり、三羽のヒナが誕生しました。
生後3日目の様子
わずか3日目にして泳ぎの練習をし、巣に戻った親子
みんなで毛繕いをしたあと、母親はヒナ達を羽根の中に誘導していました。
右の二羽は遊び足りないのか、しばらくじゃれ合っていました。
そしてようやくお昼寝タイム。
親から子へ――生きるための“レッスン”
これは泳ぎ方、餌の撮り方を両親に教わっている最中の姿。
きっと外の世界に出てきたヒナにとっては、未知の世界。小さな小さな姿が、私にはとても大きく立派に見えました。
これはまた別の日、いつもとは別の場所で泳ぎの練習をして休んでいるところ。
お母さんは疲れているようですが、子供たちは元気いっぱい。
いつも子供たちのことを気にかけている様子がひしひしと伝わってきます。
このヒナ達が産まれたのは、ひどい暴風雨に見舞われた数日後でした。人間はとてもじゃないけど外に出られないような状況下でも、きっと必至に卵を守っていたことでしょう。 5つあった卵のうち、かえらずじまいの卵も2つありました。
後日談「立ちはだかる自然の厳しさと、命の尊さ」
ここでEmi Kikuchiさんが見守ってきた様子は一区切りを迎えますが、オオハクチョウの物語には続きがありました。
(インタビュー時の)数日前にヒナが一羽いなくなり、そして今日の時点でもう一羽がいなくなり、お母さんたちと活動しているのは残り1匹になったという情報もあります。近くにカラスも多く、前年同様にカラスの被害にあってしまったのではないかと言われています。自然界では当たり前に起こることでしょうが、私を含め、抱卵の時期から見守ってきた地元民にとってはとても残念でなりません…
自然界はとても厳しく、ヒナ達も無事に生き抜くことは容易ではありません。それでも毎年こうやって産まれてくる尊い生命と、それを守る親の姿には飽きることなく毎回胸を打たれます。
人間のちょっとした振る舞い次第で、野生動物の生きる場所、そして命までも奪ってしまうことは少なくありません。写真家として何か伝えられることはないか、素晴らしい地球に産まれた人間として出来ることはないか、日々模索しています。
ただ愛らしいだけではない、自然の厳しさと命の重み。力強い命の輝きは、私たちに大切なことを教えてくれるようです。
※マナーとして、野生動物と遭遇した場合はむやみに近づかず、エサを絶対に与えないでください。また、大きな声や音、強い光(フラッシュなど)を出す行為によって、動物にストレスを与えないよう、そっと見守りましょう。
■X(旧Twitter):@emin_kiss