Domingo編集部
僕の視点で標茶町の魅力を伝えていくこの「しべちゃ日和」。今回は北海道に移住して約半年が経ち、自然の中で暮らしていく中で様々なことが見えてきたのでその思いを綴ってみようと思います。
1. 移住して半年
2. 自然と共に暮らして気づくこと
3. 北海道で暮らす人々
4. 暮らして感じる標茶町の良さ
5. 今後の活動
6. おわりに
移住して半年
私の暮らす家は山の麓にあり、標茶町の中でも一番奥の方にある場所です。勤めている標茶町役場から車で30分ほどのところで、天候も標茶の市街地とは大きく異なります。市街地が晴れていたとしても僕の住む場所は嵐になっていたり、そのまた逆も然り。
1時間もあれば天気は大きく変わってしまうし、朝起きる度に今日はどんな天気なのだろうとワクワクする自然があります。春も夏も秋もとにかくダイナミックに変化する自然があって、秋だけでも何個も季節があるのではないかというくらい、日々変化する自然に圧倒されています。
ですがその分、時折息を呑むような絶景を見ることができるのも、また自然暮らしの醍醐味。夕日が沈む平原を鹿の群れが歩いていたり、カラ松の森の上を大白鳥が編隊を組んで飛んでいったり、狐の親子や兄弟が路上で戯れあっている姿を見ることができたり。千葉に住んでいた頃とは生活も心境も大きく変わってきました。
自然と共に暮らして気づくこと
都会にいた頃は、経済というシステムに振り回されてしまい、方法論ばかりが横行し、自分という個がなくなり、社会の波に飲み込まれてしまうようなそんな日々でした。都会を悪く言うつもりは一切なく、あくまで私自身が合うか合わないかという話だと思います。もっとシンプルに、もっと生きることを実感できるように、地に足をつけてしっかりと生活ができるようになりたい。そう思っていた自分には北海道での自然暮らしがとっても肌に合っていたように思います。
今の私に必要だったことは、肩書きや能力や社会的評価を肉付けしていく事ではなく、「生きる」ということにフォーカスを当てて纏っていた鎧を脱ぎ捨てる事だったのかもしれません。自然の中で暮らすことで色々なものが削ぎ落とされ、心も身体もよりシンプルに、より身軽になりました。
北海道で暮らす人々
それは「素朴さ」です。
中には僕の暮らしより遙かに自然に溶け込むような暮らしをしている方も多くいて、その方達全てに共通することは素朴さのような気がします。それは色んなものを良い意味で諦め、受け入れている強さなのだと思います。
厳しい自然の中にいるはずなのに、特に北海道の冬は本当に厳しい世界なのに、それを生き抜いたきた人達ほど皆素朴です。多くを求めず、今ある暮らしに感謝しながら、繋がりを大切にして生きています。
「人間は1人では絶対に生きていけないからね。助け合わないといけないよ。だから、中道君も困ったらすぐに助けを求めるんだよ。そして困っている人がいたら迷わず助けてあげるんだよ。それがここで暮らすためにはとっても大切なことだよ。」
移住したての頃、そんなことを言われました。
厳しい自然を生き抜く為に必要なのは屈強な精神力でも、強靭な肉体でもなく、助け合いと全てを受け入れ、小さな幸せに感謝し、日々を素朴に暮らすことなのだとこの半年で学びました。
暮らして感じる標茶町の良さ
また、良くも悪くも交通量が平日、休日問わず変わらないのも魅力のひとつ。そのため、日常を穏やかに暮らすことができ、且つどこへもアクセスが良いので道東圏で住むにはとても適した土地であると感じています。
近隣の他地域のような派手さがない標茶町ですが、その分落ち着いた生活を求める方にはとっても住みやすい素晴らしい町だと感じています。そのため、今後は「住」の発信にも力を入れていきたいと思っています。
今後の活動
週に1回の更新ペースですが、今後はさらに更新回数を増やし、より身近に標茶町を感じてもらえるようさらに活動していきます。まだご覧になっていない方はぜひ一度ご覧頂けると嬉しいです。
おわりに
連載も3回目になりました。いつもご覧頂いている方々には本当に感謝しております。
今後も標茶町の魅力を伝えていけたらと思いますので、よろしくお願い致します。
筆者プロフィール
標茶町地域おこし協力隊・写真家・映像クリエイター 中道 智大
1988年千葉県野田市出身。小さい頃から動物や自然が大好きで20代の頃はドッグトレーナーとして様々な犬の訓練に携わる。5年前から自然と動物達の写真と映像制作を始める。現在、北海道標茶町の狼20頭が飼育されていた森で犬4頭と自然暮らしをしている。『人と動物の関係性』をテーマに各SNSにて作品を発表中。