地元夕張に新しい風を吹かせる!小野農園 元澤さんが作る安心・安全の『夕張長芋蕎麦』|Domingo

地元夕張に新しい風を吹かせる!小野農園 元澤さんが作る安心・安全の『夕張長芋蕎麦』

まち

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夕張市

12月の1ヶ月間、Domingoは「夕張市(ゆうばりし)」とコラボし、まちの観光スポットや食、特産品等をご紹介しています。 今回ご紹介するのは、夕張市でこだわりの農法で育てられた『そば』。 JAS有機認証を取得した安心・安全な夕張市産のそばについて、探ってみましょう。

夕張市ではじめてJAS有機認証を取得した『そば』

北海道でそばの産地といえば、多くの人が思い浮かべるであろう地名は幌加内や新得。
夕張市にもそばを栽培する農園があることをご存知でしょうか?

10年ほど前からそばの栽培に取り組んでいるのは、夕張市・紅葉山地区に位置する小野農園です。現在代表を務める、元澤 洋(もとざわ・ひろし)さんにお話をお伺いしました。

元澤さん

小野農園では、たっぷりの『米ぬか』と『完熟たい肥』を使うことで、自然界の微生物を土中に取り込み、健康な土づくりにこだわった農業を行っています。 2021年にはこだわりの農法で育てた「そば」で有機JAS認証を取得するなど、農作物の安心・安全にも積極的に取組んでいます。この有機JAS認証をとったのは夕張市ではじめてのこと。新しいことへの挑戦に積極的なのも小野農園の特徴の一つです。

蕎麦畑

画像提供:小野農園

そばは、冷涼な気候で乾燥気味、そして昼夜の寒暖差があり、霧が発生しやすい場所を好むのだと言います。

「夕張の中でも、特にうちは川の近くなので川霧が発生するんですよね。他の産地に負けない気候がここにもあると思います。安くたくさん作るのではなくて、有機栽培にこだわった安心・安全のそばで希少価値をつけていきたいと思っています」

夕張市のグルメといえば『カレーそば』が有名だけれど、市内にそばを作っている農家さんがいなかったことをチャンスと捉え、地元のおそば屋さんに『小野農園のそばを使いたい!』と認めてもらえるようなおいしいそばを作ることを目指しています。

夕張の『未利用』資源に価値を与える

小野農園が作るそばの名前は『夕張長芋蕎麦』。この商品の特徴は、そば栽培に米ぬかやたい肥を使う農法だけではありません。商品名にある通り、夕張の特産品でその粘りや甘みには定評がある『長芋』を使っているのです。

そば

画像提供:小野農園

■夕張の長いもについてはこちらの記事もチェック!
一度食べたらやみつきに?!夕張の大地が生み出す甘みと粘りの強い『長いも』

夕張市では昔から長芋の生産が盛んなことから、以前は長芋焼酎を製造・販売する会社があったのだそう。規格外品の長芋を買い取り長芋焼酎の原料として使用していました。しかし夕張市の財政破綻とともに長芋焼酎の製造は停止。規格外品の長芋は行く先を追われていました。

小野農園・元澤さんはこのことに注目し、そばの麺を作る際に長芋を使おうと考えました。

「昔は規格外品を買い取ってくれる買い取り手がいたから、農家も長芋の作りがいがあったんですよね。でもそれが無くなってしまった今、長芋の未利用資源を有効活用したいという思いがあって。とろろにして麺に練り込むといいんじゃないかと考えて商品化しました」

長芋

画像提供:小野農園

夕張市産の長芋をつなぎに、小野農園の蕎麦『レラノカオリ』と夕張市産のゆめちからという小麦を配合した、小野農園オリジナルの『夕張長芋蕎麦』。
小野農園のそばのしっかりとした風味と、夕張市産の長芋の甘味が感じられるこだわりのおそばです。

■今回のプレゼントキャンペーンの商品

今回プレゼントキャンペーンの商品となるのは、『炭鉄港そば』 。

炭鉄港そば

炭鉄港そば

「炭鉱・鉄鋼、鉄道・港湾」を空知・室蘭・小樽地域の食材でひとつのメニューにすることでイメージした商品で、
・空知地域 夕張長芋蕎麦(夕張市 小野農園)
・空知地域 鮭ぶし入りかつおふりだし(長沼町 株式会社美味香)
・室蘭地域 うずらの卵(室蘭市 うずら園)
・小樽地域 とろろ昆布(小樽市 本野雄次郎商店)
がセットになっています。

夕張市へのふるさと納税では、夕張高校の生徒がデザインした特別パッケージの『炭鉄港そば』を返礼品として選ぶことができます。
これは、夕張高校3年生が北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)の取り組みとして、地域の事業者と連携して「炭鉄港」や地域の歴史・背景を学び、商業の授業やプロの講義、市場調査を経て形状やデザインをグループごとに開発し、4つの商品に落とし込んだもの。

ぜひふるさと納税もチェックしてみてくださいね。

■経営コンサルタントから小野農園の代表へ

元澤さんは『農家』ではありますが、お話を聞けば聞くほど、私が思い浮かべていた農家のイメージとは全く異なる印象を受けました。

それもそのはず、もともと小野農園と元澤さんは、『赤字を解消したい農園』と『経営コンサルタント』として関わっていたのだそう。経営改善のため、販路開拓や6次産業化、エコファーマー認定などに重点的に取り組む中で、農園の体制や戦略に変更を加える必要を感じた元澤さんは、小野農園で本腰を入れて農業を行う農園主の立場になったのだそう。

経営コンサルタントから農園主という異色の経歴を持つ元澤さんだからこそできる、ビジネスや販売促進の視点を持った農園運営を行なっています。

小野農園

商品開発や販路開拓を得意とする元澤さんは、小野農園での農産物の生産・販売だけでなく、夕張にすでにある食品のブランディングにも着手。

例えば、夕張市産の蜂蜜『ばりみつ』。
このあたりの山に多く咲いているシナの花と、小野農園のそばの花の蜂蜜です。さっぱりとしたシナにそばが入り、ほどよいコクがあるこの場所ならではの味です。

ばりみつ

画像提供:小野農園

実はこの『ばりみつ』、夕張市内の10箇所で採取された蜂蜜を食べ比べることができるんです。

「夕張市内に、10箇所も採蜜している場所があって、10箇所とも食べさせてもらったら全部味が違うことにびっくりして、このまま武器にしていきたいなと思ってさ。このエリアで採れた蜜、このエリアで採れた蜜、と分けて商品すれば、夕張に思い出がある人が『そういえばあの山にはあんな花あったな』って思い出してくれるきっかけになるんじゃないかなと思って」

養蜂家さんとタッグを組んで商品開発をし、ふるさと納税の返礼品や道の駅での販売に繋げていきたいと言います。

ふるさと納税2口で、夕張市内10箇所で採蜜された全ての蜂蜜を食べ比べることができるので、ぜひ気になる方はチェックしてみてくださいね。

■経営コンサルタントから小野農園の代表へ

夕張出身の元澤さん。地域に深く関わる経営コンサルタントとして仕事をしていたからこそ、地元夕張のイメージを変えていきたいと話します。

元澤さん

高齢のために離農する人も多く、利用されていない農地がたくさん余っている夕張市。

「いま、若者が新規就農することも増えてきてるじゃないですか。『夕張市で就農する=栽培するのは夕張メロン一択』というイメージだと、誰も来てくれないと思うんですよ。だから、うちみたいな夕張メロン以外の農家が外の地域に向けていろんなことを仕掛けて、『夕張メロンじゃない作物でも栽培していいんだ!』っていうイメージを持ってもらいたいなと思っています。最終的に夕張メロン作りたいと思えば作ればいいというくらいの気持ちで、夕張で就農することを視野に入れてくれたらなって」

また、夕張に対して応援の気持ちを持ってくれている多くの方が、もっと気軽に夕張を応援できるような仕組みを整えたいとも。

「催事などにいくと、『夕張応援してるよ』ってうちの商品を買ってくれる方も多くて。ふるさと納税するほどでもないんだけど、『夕張を応援したい』と思ってくれている人たちの思いをなんとか市の歳入に繋げられるような仕組みを作っていけたらと思っています」

元澤さんの発想力と実行力が、夕張のイメージを少しずつ変えていくような、新しい風を感じました。

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