Domingo編集部
「いただきます」は、食材の命を自分の命にすることへの感謝と、食材に携わるすべての人への敬意を表します。北海道東部にある阿寒湖を拠点とするブランド“AKAN LEATHER”は「着ることにもいただきますの気持ちをもってほしい」という想いを込めた一着を完成させました。
STOP廃棄!エゾ鹿の革はスゴい!
北海道に生息するエゾ鹿は年々その頭数が増え、農林業や交通障害などに影響を及ぼしています。そして頭数制限のために駆除されるエゾ鹿の皮の多くが産業廃棄物として廃棄されています。でも、そんなエゾ鹿の皮を廃棄せずに活かしたいと立ち上がったのが「AKAN LEATHER」です。
そもそも、鹿革は世界的にみてとても価値があるものです。油分が豊富で耐久性に優れています。柔らかくしっとりとしていますが強度もばっちり。また、湿気を吸収する性質があり蒸れにくく通気性が良いため“レザー界のシルク”とも称されているんです。鹿革は日本でも1300年以上前から使用されていて、東大寺の正倉院に収められている所蔵品の革製品のうち約80%が鹿革で作られたものなんだとか!
山本寛斎デザイン事務所の代表・高谷健太氏によるクールなデザイン
今回新作として発表された『AKAN LEATHER のフラッグシップモデル ALKシリーズ』は、阿寒湖在住のアイヌアーティスト秋辺日出男氏をアドバイザーに迎え、日本を代表する世界的ファッションデザイナー故山本寛斎氏のデザイン事務所の代表でデザイナーの高谷健太氏がデザイン・プロデュース。
シンプルなダブルライダースジャケットでありながら、見返しには「AKAN LEATHER」のシンボルでもあるアイヌ紋様が。軽くて柔らかい鹿革の特徴を活かして、着る人の体系に馴染みながら、街の中にも自然の中にも気軽に着ることができます。
今回デザイン・プロデュースを手掛けたデザイナーの高谷健太氏は、このように話します。
ファッションの世界に身を置く中で、SDGsや動物愛護の多様な考え方によって、皮革産業を取り巻く環境が複雑な状況にあることを目の当たりにしてきました。そのような中で、SDGsという言葉が生まれるずっと前から、さかのぼれば縄文時代から、僕らの先人が大切にしてきた「自然への感謝」や「畏怖や畏敬の念」といった価値観が、日本の皮革産業には反映されていると思っています。
正直、未だ何が正解か分かりませんが、僕は「いただいた命を大切に使わせていただく」、「着ることが森林の保護につながる」という『AKAN LEATHER』の哲学に深く共鳴しています。
同ブランドを通して、ひとりでも多くの方が北海道に訪れ、同地におけるエゾ鹿の問題を知り、考えるきっかけとなっていただけましたら幸いです。
「AKAN LEATHER」は 2023年ゴールデンウィークを目途に、阿寒湖温泉4丁目に店舗を構えます。今後の展開が気になって目が離せません。ぜひチェックしてみてください。
【オフィシャルWEBサイト】http://akanleather.com
【オフィシャルECサイト】2023 年 3 月公開予定
【オフィシャルYouTube】
ハンター編:https://youtu.be/OltLrPGLGzc
タウン編 :https://youtu.be/oM6KHlAy52Q