食の宝庫として知られる北海道には、その風土や歴史にちなんだ食文化が反映された様々な郷土料理があります。今回は北海道民がおすすめする絶対に食べておきたい北海道の郷土料理10選をご紹介します！

北海道を代表するグルメのジンギスカン。ラムやマトンなどの羊肉を、中央が盛り上がっている半円状の鍋で野菜と一緒に焼いて食べます。ジンギスカンは主に、生肉を焼いてタレにつけて食べるタイプと、特製のタレに漬けこんだ味付き肉を焼いて食べるタイプの2種類があります。ジンギスカン鍋を持っている家庭も多く、古くから北海道民に愛されている郷土料理です。

北海道で鶏の唐揚げといえばザンギ。鶏肉を揚げる前に醤油ベースの甘辛いタレに漬けこんであるので、一般的な鶏の唐揚に比べて濃い味なのが特徴。釧路市が発祥とされており、全道に広まった今では、お店や家庭によって漬けこむタレの味付けレシピに違いがあるのも奥深いです。居酒屋や食堂、お弁当のおかずとしても万能な大人気の料理です。

鮭に旬の野菜や山菜、バターなどをのせて味付けした味噌と一緒に蒸し焼きにする料理で、石狩の漁師町が発祥の料理とされています。大きな鉄板で豪快に焼くスタイルが伝統的ですが、家庭ではホットプレートやフライパンなどを使ってホイル焼きで食べられることが多く、サケとの歴史が古い北海道ならではの豪快で手軽な料理として親しまれています。

こちらも鮭がメインの漁師料理です。もともとは漁師が作業の合間などに食べていた鍋料理で、鮭の豊漁を祝って鮭のぶつ切りを味噌汁鍋に入れたことが始まりと言われています。今では一般の家庭でも寒い冬に好んで食べられている定番の鍋料理。生鮭の身とあらを野菜と一緒に煮込んだ味噌鍋は、芯から身体を温めてくれます。

塩漬けにして保存された鮭やニシンを人参や大根などの野菜とともに煮込み、その魚から出る塩味を生かしてつくられる汁物が三平汁。味噌仕立ての生鮭を使う石狩鍋にも似ていますが、三平汁は塩漬けされた鮭を使うことが特徴で、地域によって使う魚や味付けは様々です。200年以上も前から食べられていたという記録もある、伝統の味です。

味噌汁にカニをいれたものを「てっぽう汁」と呼び、昔から根室地方の漁師料理として食べられてきました。根室で水揚げされる花咲ガニを使うのが主流ですが、毛ガニやタラバガニなどを使うこともあります。カニの濃厚な出汁と味噌汁の相性がぴったりで、冷えた体を温めてくれます。名前の由来は、カニ足の身を箸でつついて食べる様子が鉄砲を掃除している仕草に似ていることから付いたと言われています。

サケ漁が最盛期を迎える9月頃、スーパーなどの店頭には筋子が多く並び、各家庭でいくらの醤油漬けが作られます。イクラ丼やお寿司として食べることが多く、プチプチの食感がたまりません。キラキラ光るいくらの醤油漬けを炊き立てごはんにドバドバと豪快にのせて食べる贅沢は、北海道ならでは。サーモンの刺身や焼き鮭を加え親子丼にするのもおすすめです。

十勝地方では明治時代末ごろから養豚業が営まれ、豚肉は身近な食材として親しまれてきました。昭和初期、養豚が盛んだった帯広市で「うなぎよりも安価でスタミナのつく料理を」と、炭火焼きした豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレをかけてご飯にのせたのが始まりと言われています。家庭でも自家製のタレを作って身近な料理として親しまれていますが、本場の帯広市内には多くの名店があります。

戦時中の米不足から、当時道南地域で大量に水揚げされていたイカを使って米を節約する料理として考案され、函館本線の森駅の駅弁として販売されたのがはじまりとされています。イカの胴身にもち米を詰め、醤油ベースの出汁で炊き上げることでイカの風味が染み込み、味わいも食感も楽しめる料理です。駅弁としても人気ですが、家庭でも手軽に作ることができます。

郷土料理というより今や国民食のラーメンですが、寒冷な北海道では戦後急速に食文化として浸透しました。札幌の「味噌ラーメン」、旭川の「醤油ラーメン」、函館の「塩ラーメン」と呼ばれるほど、地域によっても特色があり、全道にラーメン通をうならせる有名店が数多く存在します。そんなラーメンは「北海道遺産」にも登録されているように、北海道民とは切っても切り離せないソウルフードのひとつです。

あわせてチェック！