北海道のおせちは大晦日に食べちゃう!?一風変わったおせち事情と北海道の定番おせち|Domingo

北海道のおせちは大晦日に食べちゃう!?一風変わったおせち事情と北海道の定番おせち

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北海道

季節の節目を祝い神へお供えするという意味を持つおせち。北海道は特徴のあるおせちがある地域として知られていますが、おせちを食べ始めるタイミングもかなり変わっています。今回は北海道のおせち事情と題して、道民の年末年始の食の過ごし方を紹介します!

おせちは大晦日の夜からいただくのが北海道流

おせち

おせち料理は元旦の朝に食べるのが当たり前。しかし、北海道には「おせち料理は大晦日に食べる」という風習があります。その理由は「年とり膳」の風習が色濃く残っているからとされています。

年とり膳とは、1年の始まりに神様へ1年の感謝と新しい年神様を迎えるため、お供えしたお膳と同じものを食べて翌朝未明まで祝うという旧暦の風習。旧暦では、1日の始まりが日没だったこともあり、北海道では31日の夜からお祝いという名前の宴会が始まったのだとされています。

おせち

テーブルにはおせちを筆頭にお寿司やカニ、オードブルなど北海道を代表する多くのごちそうが並び、大人も子どもも一緒に楽しく過ごします。

じゃあ元旦は?おせちの仕切り直しか普通にごはん

おせち

大晦日~朝にかけて盛大に年越しパーティーをしたあとの元旦はというと、結構静かです。おせちのお重に再び料理をつめて、お雑煮と共に、ちょっと豪華なおかずがついた朝ごはんという光景もよくあります。

年とり膳という風習は、大晦日の賑やかさにクローズアップされがちですが、元旦をゆっくり過ごすところまでがワンセット。ある意味、大晦日が宴会なので、元旦はゆっくりのんびりするくらいが丁度いいのかもしれません。もちろん元旦の昼からまた盛大に宴会…というパターンもあります。

北海道のメジャーなおせちいろいろ

おせち

粛々とした雰囲気の中で食べるおせちとは一線を画す北海道のおせち事情。料理の中にもちょっとした特徴があります。この章では北海道の多くで食べられているおせちの特徴を紹介します。

なます
大根とにんじんの色合いが美しいなます。甘酸っぱい味クセになるおせち料理代表とも言える逸品です。北海道では、生鮭の頭の軟骨を薄切りにした氷頭(ひず)を入れる地域も。一匹からわずかしか取れない貴重な氷頭は、コリコリとした食感がクセになります。

お寿司
家族、親戚が集まる場では、お寿司は手軽に食べられて豪華な食べ物です。筆者は祖母の家に親戚が集まるので、毎年おせち料理と共にドドンと大きなお皿に色とりどりのお寿司が鎮座していました。北海道でお寿司が振舞われる理由の1つに、鮮魚が手に入りやすいという北海道ならではの事情もあります。家族全員がお腹いっぱい食べられるくらいたくさんのお寿司を用意するのが北海道のお寿司の特徴です。

飯寿司
キャベツや千切りのしょうがと魚を米麹で漬けて発酵させていただく飯寿司は、12月頃から出回る郷土料理。海岸沿いの地域では、自宅で漬ける方も多く、家庭によっても微妙に味も違います。また、紅鮭やハタハタ、ホッケ、ニシン、サンマなど飯寿司自体の種類も豊富なのも特徴です。

松前漬
地元の食材を使って作られた松前藩発祥の松前漬。がごめこんぶやするめいか、かずのこなど醤油ベースの味が特徴です。こんぶやかずのこなど、縁起の良い食べ物が多く入っているため、北海道ではおせち料理の1つとして定番となっています。

うま煮
重箱の3段目の煮物エリアには、うま煮を入れるのが北海道では一般的。本州では、お煮しめや筑前煮が入る場所ですが、入っている具自体はほぼ一緒。うま煮はさとう、醤油、みりんなどでちょっと強めの甘辛煮なのが特徴です。さらに北海道独特のなるとなどを入れ、見た目が華やかなうま煮となっている場合もあります。

口取り
白あんを鯛や海老など縁起の良い型にかたどったり、羊かんなどを盛り合わせた和菓子です。一般的には栗きんとんや、伊達巻き、昆布巻きなども口取りの種類に入るのですが、北海道では、甘い和菓子の事を口取りと呼んでいます。年末近くになると和菓子屋さんやスーパー、コンビニで姿を見るようになり、おせちを開ける前に食べるお菓子の位置づけです。白あんだけのものや、中にあんこが入っているもの、上生菓子などがあります。

昆布巻き
北海道のおせちに入る昆布巻きは、昆布だけではなく、中に具を入れて炊いたものが主流。中に巻く具は、ニシン、鮭、たらこ、ししゃもなど。今では全国的にも魚を巻いた昆布巻きが食べられていますが、種類が多いのは北海道ならでは。

茶碗蒸し
おせちのお供として出てくることの多い茶碗蒸しですが、北海道では中身や味がちょっと違います。例えば、銀杏の代わりに栗の甘露煮が使われていたり、ゆり根が入っていたりします。茶碗蒸しで使われるゆり根はちょうど12月からが旬で、全国に流通しているゆり根のほとんどが北海道産。そのため、茶碗蒸しに入る機会が多いようです。そして、茶碗蒸し自体の味も若干甘めなのも特徴といえます。

お正月に食べるお雑煮事情も面白い

お雑煮

おせち料理と共にお正月の食卓を彩る「お雑煮」。北海道のおせちは北海道内の環境が色濃く反映されている事が多いのですが、お雑煮の場合はルーツによって味や入れるお餅が全く違います。例えば塩味だったり、醤油味だったり、はたまた味噌味だったりするだけではなく、まる餅や四角餅、あんこ餅など、その種類は数えきれないほど。

と、いうのも明治時代に全国各地から移民が訪れたため、全国各地のお雑煮が一同に集まり、隣の家でさえも雑煮の味が違うという状況になっているのです。さらに時代と共にお雑煮もアップデート。現在はそれぞれのルーツをベースにしたお雑煮が各家庭で食べられています。

Let’sパーティー!大晦日から楽しんじゃうのが北海道のお正月!

お雑煮

北海道では、フライングでおせちを開けてしまったのではなく、旧暦の年とり膳がルーツで大晦日に盛大に神様に感謝の気持ちと新しい年神様をお迎えするためだということがわかりました。また、北海道の環境から生まれたおせち料理の数々も、各地のルーツが溶け込んでできたものと考えると感慨深いものがあります。今年も大晦日から思いっきり新年を祝いましょうね!

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ライタープロフィール

北海道観光カメライター ぶちねこ

北海道の観光スポットや観光施設につながりをたくさん持ってる「ぶちねこ」です。北海道に住んでいると当たり前に思っているものでも、素晴らしい資源がたくさんあります。そんな素敵な北海道の魅力を発信していきます。

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