小樽発の列車から見たこの光景は一体?海が白く染まる「群来」が話題|Domingo

小樽発の列車から見たこの光景は一体?海が白く染まる「群来」が話題

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小樽市

北海道の観光地として有名な札幌と小樽。その間はJRの快速列車でおよそ30分という距離で、利用する方も多く、また列車は海岸線を走ることから車窓を楽しみにしている人も多い区間です。今回はそんな小樽から札幌へ向かう列車の中から、珍しい光景を目にした投稿がSNSで話題になっています。

今日も小樽駅発のJRからの眺めが天国かと思った。今日は夏かなって思う海の色が格別にキレイすぎた

ニシンの群来

@NMC_SAITO さんの投稿より引用

投稿に添えられた写真を見ると、綺麗な空に白い海とった南国のような光景が広がっていますが、小樽の海は普段ここまで白くはありません。海がこんなに白いのには、理由がありました。

小樽

小樽と札幌をつなぐ列車は日本海側の海岸線を走る

海が白くなるのは「ニシンの群来」のせい

海が白い理由はニシンの群来(くき)によるもの。群来とは、ニシンなど魚の大群が沿岸の浅い部分に押し寄せ、メスが卵を産み、オスが放精することで海が白く濁る現象のことです。

かつて北海道の海では春ニシンによる群来が至るところで見られましたが、1955年頃からニシンの群れが北に移動し、また乱獲された影響などもあり、春ニシンそのものが減り、群来そのものも姿を消しました。しかし、1999年に留萌で再び群来が見られると、ここ最近は1月の下旬から3月の上旬にかけ、小樽で毎年のように見られるようになりました。

ニシン漁で栄えた小樽の歴史

にしん御殿 小樽貴賓館

「にしん御殿」と呼ばれる『旧青山別邸』は、現在の価格で総工費約30億円の大豪邸

そもそも小樽は、江戸末期からニシン漁をはじめとする漁業で栄えた町で、かつては「ニシン漁で一年間生活ができた」ともいわれたほど。小樽の観光名所のひとつ『小樽貴賓館』には、国の登録有形文化財に指定されている「にしん御殿」と呼ばれる豪華なお屋敷があります。そのお屋敷は今も見学することができ、また室内にある和風レストランでは、脂の乗ったニシンのお重やニシンそばを食べることができます。

群来を見るなら今がチャンス!

雪あかりの路

1999年から続く『雪あかりの路』は、今も小樽市民による手作りで開催

冬の小樽はスノーキャンドルによって運河一帯が照らされる『小樽雪あかりの路』が2024年2月10日から17日にかけて開催。そして群来が発生している海を見つつ、列車でおよそ30分で着く札幌では『さっぽろ雪まつり』が2024年2月11日まで開催中です。

冬の観光シーズンを迎え、国内外から多くの観光客が訪れている小樽と札幌。ぜひ移動中の列車では窓の外を注目してみてください。もしかしたら、同じような風景に出会えるかもしれませんよ。

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