Domingo 記事
絡まり合う二つの命。生と死が交差する“野生”を切り取った一枚
受賞作品「Never-ending Struggle」
選ばれた作品は、北海道・道東、別海町の野付半島で撮影されたエゾシカの姿。1頭の生きたエゾシカの様子と、その隣に存在する別のシカの頭蓋骨と角。この一枚は、単なる美しさを超え、自然界の厳しさと生命の尊厳を私たちに訴えかけるようです。
【本人コメント】「この地は世界に誇れる、学ぶに値する場所」
北海道・道東の自然や野生動物の姿をありのままに捉える柳楽航平さんの作品
今回快挙を成し遂げた柳楽航平さんは、実は現役の高校教員。教壇に立つ傍ら、限られた時間の中で道東の自然に深く入り込み、野生動物の姿を捉え続けてきました。今回の受賞にあたり、柳楽さんからいただいたコメントをご紹介いたします。
柳楽航平さんからのコメント
このたび、Wildlife Photographer of the Year People’s Choice AwardにおいてHighly Commendedに選んでいただき、大変光栄に思っています。
北海道で高校教員として働く傍ら、限られた時間の中で野生動物の撮影を続けてきました。このような形で世界中の方に作品を見ていただき、評価していただけたことは、大きな励みになっています。生徒にも日ごろからこの地は「世界に誇れる、学ぶに値する場所」だと言っているので、それが結果として現れて大変嬉しく思っております。
今回の作品は、北海道・道東の野付半島で撮影したエゾシカの姿です。
非常に印象的な光景ではありましたが、そこには野生における生と死の近さや、その厳しさと尊厳が表れていると感じました。
また、英語圏のコンテストにおいて審査員による選考を経て、さらに一般投票で評価されるという過程には大きな壁も感じていましたが、その中で評価をいただけたことをとても嬉しく思っています。
今回の経験を通して、日本から世界に向けて発信することの可能性も改めて感じました。今後、日本から挑戦する方が増え、その中で評価される流れが広がっていけば嬉しいです。
作品は今後ロンドン自然史博物館に展示
柳楽さんはSNSでも道東に生きる野生動物たちの姿を精力的に発信
柳楽さんの受賞は、北海道・道東の自然がもたらす、野生の圧倒的なリアリティを世界に証明。受賞作は今後、イギリスのロンドン自然史博物館にて展示される予定です。一人の表現者として、そして教育者として。柳楽さんが切り取る北海道の野生動物の写真たちは、これからも多くのことを伝えてくれることでしょう。