Domingo 記事
地魚をシンプルに楽しむ料理
夜の外観。ニシノヤの看板が光っています
ニシノヤで楽しめるのは、十勝を中心とした食材を使ったシンプルなお料理。特に印象的なのは、地魚のおいしさをまっすぐに感じられる一皿たちです。余計なことはせず、素材を活かす。料理も空間も、どこか軽やかでやさしい印象です。“割烹”という言葉の持つ敷居の高さを少しだけほどいて、「今日はちょっと魚をアテに一杯のみたいな」くらいの気分で立ち寄れる空気があります。
オープンは17:00~。早めの時間だと混んでなくて◎
地魚の刺身盛り合わせ(3人前 1,300円~)
黒板には、その日のおすすめメニューが(看板は取材時2026年4月の金額)
地魚フライ 自家製タルタル(500円)
小松菜とおひょう柑橘醤油和え(600円)
日替わりのお通し(500円)。この日は「鮮魚のなめろう」
お酒は、神奈川県・鎌倉の「鈴木屋酒店」から仕入れるワインや日本酒が中心。定番を置くというより、その時々で柔軟にいろいろなものを仕入れているそうで、訪れるたびに違った楽しみがあります。
ノンアルコールも豊富で、あずき茶やクラフトコーラなど、ちょっと気になるラインナップも。お酒が飲める人も飲めない人も、料理や会話で、その日の一期一会を楽しめる場所です。
グラスは800円~。常時10種類以上が揃う
“修行したい”という気持ちを抱えながら
神奈川県・鎌倉時代「SALO食堂」で働いてた頃の西野さん
店主・西野さんの出身は帯広。25歳の頃、星野リゾートのサービススタッフとして働き始めたことが、料理の世界への入り口でした。「料理長がすごく楽しそうだったんです。スタッフに愛情を持って接して、育てている姿が印象的で」と西野さん。その姿に惹かれ、サービスから調理の道へ。ホテルで3年、旅館で4年。料理人として経験を重ねていきました。そして32歳の頃、コロナ禍に突入。
「もっと腕を磨きたい、もっと料理をしたい」。そんな思いから都内のレストランへの転職も考えましたが、緊急事態宣言の時期と重なり、状況は大きく変わってしまいます。
神奈川県・大磯時代「SALO食堂」で提供していたランチ
その後、西野さんは奥さんと「どこで暮らしたいか」を考え、神奈川県・大磯へ移住。出張料理人として活動する一方で、カメラマンとして飲食店の撮影や企業のInstagram運営、ラジオ立ち上げのサポートなど、幅広く活動してきました。料理と表現。二足のわらじを履きながら過ごした約4年半。そして今年、今後は帯広で暮らしたいと帯広へUターンし、北の屋台で自分のお店を持つことを決めました。
シンプルだからこそ、素材が際立つ空間
マスタードとアンチョビが入ったニシノヤのポテサラ(500円)、十勝マッシュとホタテのしんじょの春巻き(500円)、越冬じゃがいもととびっこの口福和え(600円)
店名の「ニシノヤ」は、“西野”という名前から、一番シンプルなものを選んだそう。ロゴは、好きな現代美術家さんによるもの。店内は白を基調に、できるだけ余白を残したシンプルな空間になっています。道産のニレ材を使ったテーブルなど、素材の魅力が静かに感じられる設計です。派手ではないけれど、十勝がちゃんと記憶に残る。そんな空気感が、このお店には流れています。
お店は最大10名様まで入れる
北の屋台に新しくできた、“街に開かれたストリート割烹”。ふらっと立ち寄って、地魚とお酒を楽しむ夜。そんな時間を過ごしに、ぜひ遊びに行ってみてください。
※金額は全て税込。また、掲載情報は記事公開時点のもの。
ニシノヤ
■所在地:帯広市西1条南10丁目7
■営業時間:月曜~土曜 17:00–24:00(L.O 23:00)
■定休日:日曜
■予約:DM予約・前日まで(17:00-19:00入店分)
「ニシノヤ」の詳細や地図情報はこちら
ライタープロフィール
鹿女 / 編集者 中村 まや
宮城県出身。グルメメディアの編集者から猟師へと転身。”鹿女まやもん”という愛称で親しまれている。おいしく命をいただくことをモットーに、鹿を獲るところから精肉まで一貫して行う。また、ロゴやパンフレットのデザイン制作やライター業、イベントの企画運営などフリーランスの編集者としても積極的に活動している。
