Youtubeで町おこし!標茶町が目指す本当の地域おこしとは【連載「中道智大のしべちゃ日和」(4)】|Domingo

Youtubeで町おこし!標茶町が目指す本当の地域おこしとは【連載「中道智大のしべちゃ日和」(4)】

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標茶町

みなさんこんにちは。標茶(しべちゃ)町の中道智大(なかみち ともひろ)です。僕の視点で標茶町の魅力を伝えていく「しべちゃ日和」。今回で早いもので4回目を迎えました。

12月に入り、あっという間に2021年が終わろうとしています。思い返せば2021年は僕にとって変化の年であったと思います。世界はコロナという未曾有のウイルスに見舞われ、今までの常識がことごとく覆される中、今一度、自分たちの生き方を問われていたようにも感じます。

そんな中で僕は千葉県から北海道へ移住し、自然の中で犬達と暮らすことを選びました。
ご縁が繋がり現在では標茶町の地域おこし協力隊として活動をさせて頂いています。

現在、標茶町の地域おこし協力隊では、Youtubeを起点とした町内の情報発信に力を入れています。発信を始めてから半年、やりながら様々な課題や問題点が見えてきたので今回はそのお話をしていこうかと思います。

(NHKさんの取材の様子。自分たちのメディアだけでなく、様々なメディアを通じて標茶をPRしています。)

どの自治体も悩む、発信力

地方の自治体の動きを見ていると、どの自治体も『情報発信力』がない。という事に終始苦労しているように見えます。素晴らしい動きやイベントがたくさんあるから、それをもっと知って欲しい、そしてもっと色んな人に私たちの町を知って欲しい。そんな声がたくさん聞こえてきます。

そこで各自治体はSNSやYoutubeを駆使した情報発信を始めています。中にはうまく成功した事例もあるでしょう。ただし、1億総クリエイター時代の今日では、毎日のように情報が洪水のように流れ続け、それを見るひとも発信する人も情報の海の中でもがいている状態です。

私たちもYoutubeで発信を始めたものの、やはり最初は苦戦していました。
そこで僕は情報発信の意義を根本から考え直します。

(初冬に行われたイベント。コロナ禍で数少ないイベントには積極的に取材に行きます)

地域おこしとは何か

そもそも地域おこしとはどのようなものなのでしょうか。何かの方程式があるわけでも、明確な定義があるわけでもなく、何を持って地域おこしとするのかも曖昧です。自治体でよく見られる事例としては、自分たちや一部の人たちだけで盛り上がってしまい、対象者や町民を置いてけぼりにしてしまうケースです。

ここには僕たちも十分気をつけなければならないと思いました。半年間、僕が協力隊として感じた1番の地域おこしとは何か。

それは『町民一人一人が自分の町が好きだと感じてもらえる事』
これに尽きると思います。

協力隊がいくら情報を発信しても、いくら素晴らしいスポットや特産品が町にあっても、町民が自分たちの町の可能性を否定してしまっては、本当の町おこしは起こり得ないと思っています。

ではどうやったら町民が自分の町を好きだと思ってもらえるのか。
次はそれを考えてみました。

(マイナス10度の朝、人生で初めて見る霧氷に大感動でした)

町と町民を繋ぐ。自分たちの町を知る

移住してきて驚いたことの1つに、意外と町民の方であっても自分たちの町の良さを知らない、ということでした。町のことだけでなく、役場が何をしていて何をしようとしているのか。

自分たちの町にどんな思いを持って活動している人がいるのか。それを可視化できていないが為に自分の町がどういう町なのかがわからない。ということが起こっている気がします。

ですので、僕たちはYoutubeを通じて町民の方々に向けた情報と町外の方たちに向けた発信と2つ行っていく事にしました。

Youtubeが町民にとっては情報掲示板であり、地元を再発見する場であること。町外の方々にとっては標茶町ってどんな町なの?と知ってもらう場であること。この両輪を回していく必要があると感じました。

しかし、言葉でいうことは簡単です。
自分たちの町の魅力を知ってもらう。簡単なことのようで前述した通り多くの自治体がこれができずに苦労しています。僕も半年Youtubeを運営してチャンネル登録者がなかなか増えず、どうしたら登録者が増えるのだろうと悩んでいた時期がありました。

しかし、最近になって何が大切なのかがわかってきた気がします。

(町中で当たり前に見られるタンチョウ。見慣れてしまった方も多いが僕にとっては全てが非日常です)

大切なのは自らが楽しむこと

どんな事でも言えて、当たり前の事なのかもしれませんが、『協力隊として』とか『地域を盛り上げる為』とか外的要因や結果ばかりを求めて数字を追いかけてしまうと、それは本質的ではないように思います。

大切なのは『自分自身が一町民として、この地域を好きになり、それを表現していくこと』
これに尽きると思います。

心のベクトルを外に向けるのではなく、自分自身の内側に向け、純粋に楽しむ事。そのエネルギーが徐々に広がっていき、最終的には町民の方々に自分たちの町の可能性を知って欲しい、そう思っています。

町民の方々にとっては当たり前の雪景色も、道路を横断する鹿やタンチョウも、雄大な西別岳も、僕にとっては毎日が新鮮で驚きと感動に満ちています。景色がこんなにもダイナミックに変わる自然は日本中どこを探しても北海道だけだと思うし、特に道東地域の自然は本物の自然が多く残っています。

そこで暮らす人々も皆温かいし、声を掛け合って生きることが当たり前であってもそれは都会から来た僕にとってはとっても嬉しいことの1つでした。

僕はご縁があって標茶町に来たけれど、本当にこの町が好きです。
それは自然だけでなく、ここで暮らす人々が好きだからというのも大きいです。

この気持ちを僕はこの土地でもっともっと育んでいきたいなと思いました。

(初めての雪に僕の犬たちも大喜び。日々標茶の自然を満喫してます)

終わりに。これからの標茶町

あっという間に2021年が終わり、もうすぐ2022年がやってきます。まずはYoutubeでの発信に力を入れ、夏までに登録者1000人を目指したいです。なかなか自治体のYoutubeは見てもらう機会も少ないと思うので、きっかけとして綺麗な映像で撮ることを心がけています。綺麗な映像、というだけで見てみようと思うきっかけになってもらえればと思っています。

そして今後も、まずは自分が1番に楽しむこと、を念頭に置き標茶町の魅力を発信し続けたいと思っています。ぜひ一度、標茶町地域おこし協力隊のYoutubeをご覧になってみてください。

きっとあなたの知らなかった標茶町が見られると思います。

標茶町地域おこしYouTubeチャンネル

筆者プロフィール

標茶町地域おこし協力隊・写真家・映像クリエイター 中道 智大

1988年千葉県野田市出身。小さい頃から動物や自然が大好きで20代の頃はドッグトレーナーとして様々な犬の訓練に携わる。5年前から自然と動物達の写真と映像制作を始める。現在、北海道標茶町の狼20頭が飼育されていた森で犬4頭と自然暮らしをしている。『人と動物の関係性』をテーマに各SNSにて作品を発表中。

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