こだわりを楽しむチルなひととき。“ここでしかできない”体験が散りばめられたクラフトホステル「THE GEEK」|Domingo

こだわりを楽しむチルなひととき。“ここでしかできない”体験が散りばめられたクラフトホステル「THE GEEK」

釧路湿原国立公園内にある塘路湖畔。ラムサール条約にも登録された美しい自然の中で暮らせるエリアで、“ここだけの体験”を提供するために始まった施設があります。今回は塘路駅から徒歩1分の場所にあるサウナとクラフトホステルが融合したユニークな施設「THE GEEK」をご紹介します。

オーナーの想いが詰まった「クラフトホステル」

THE GEEK

JR釧網線で釧路駅から約30分の塘路(とうろ)駅。そこから徒歩1分の小高い丘の上にクラフトホステル「THE GEEK」はあります。

同施設がオープンしたのは2020年。兵庫県生まれ、神奈川県・横浜育ちのオーナー・達川慶輔さんが塘路を訪れた際、この地に“一目惚れ”。「空間づくり」を通してこの地の魅力を届けたいという想いから、元ユースホステルだった物件をリノベーションして「クラフトホステル」を立ち上げたのだそう。

「クラフトホステル」という言葉にはあまり馴染みがないかもしれませんが、「小規模なブルワリーが伝統的な製法や個性的なレシピを用いて手作りする『クラフトビール』のように、空間づくりを大切にし、その場を作っている人の“顔”が見えるようなホステルにしたい」というオーナー・達川さんの想いが込められています。

THE GEEK

窓から見える釧路湿原。まるで額縁に収められた絵のように美しい風景が広がる

達川さんが空間づくりに思い入れを持つようになった原体験は、大学生の頃、アメリカ留学中に訪れたポートランドのエースホテルでの出来事にありました。

現地の老夫婦やLGBTQと呼ばれる方々、学生、「社長」などといった肩書きを持つ社会的地位の高い欧米からの旅行客、異なる宗教への信仰を持つ方々などが一堂に会し、それぞれの違いを当たり前に受け入れ、気づけばその場にいる全員で盛り上がっている。そんな光景を目の当たりにし、驚きと興奮を覚えたことが今でも鮮明に思い出されると語る達川さん。

「いつかは自分も日本でこんな空間を作りたい」という想いを胸に帰国し、数年越しでかたちにしたのが、この「THE GEEK」なのです。

地域食材やこだわりぬかれたドリンクが楽しめるチルラウンジ

THE GEEK

そんな達川さんの想いやこだわりが詰まった「THE GEEK」のエントランスを抜けると宿泊者限定のチルなラウンジが。訪れた人が思い思いにくつろげるアットホームな空間がかたちになっています。

このラウンジスペースでは、カフェメニューと海外品評会で最高賞に選ばれた厚岸ウィスキーをはじめとしたアルコールのほか、地域の食材を使ったアピタイザー(前菜)からメイン、デザートまでの簡易的なコース料理を提供。この土地ならではの食が楽しめる空間となっています。

THE GEEK

日本を代表する酪農の町・標茶町のチーズ、牛乳、バター、ヨーグルトなどを使った料理も提供

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スコットランドの伝統的な製法にこだわって2016年から醸造されている「厚岸ウィスキー」

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生豆からこだわった本格的なアイリッシュコーヒーや、ミントモヒートラテ、アイリッシュウィスキーラテなどのコーヒーカクテルもおすすめ

また、2階の客室は釧路湿原が一望できる「湿原ルーム」と、「和室」「ドミトリールーム」の3種類。個室でゆっくりしたい方から、旅先で出会った方と同じ空間を共有したい方など、多彩な宿泊スタイルに対応しています。

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よく晴れた日には阿寒富士や雌雄阿寒岳が見られることもある「湿原ルーム」

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畳を取り入れた和テイストな「和室」

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「ドミトリールーム」の造作ベッドはカーテンで仕切られて、各ベッドの枕元にはライトと電源がある

なお、客室の蛇口から出る水は、日本一の透明度を誇る摩周湖の伏流水・西別川から取水したもの。標茶町民7,000人だけが飲める天然の水を味わえるのも貴重な体験の一つです。

カヌーに乗馬、バーベキューまで!“ここだけ”の多彩なアクティビティが魅力

THE GEEK

達川さんのこだわりは施設内だけに留まりません。国立公園内に位置するロケーションを活かしたアクティビティにも“この土地ならでは”の魅力が詰まっています。

THE GEEK

まずは、カヌー。実は「THE GEEK」がある地域一帯は“カヌーの聖地”とも呼ばれる場所で、釧路湿原を望むカヌーコースの多くは塘路湖を起点としているのだそう。塘路湖を出発してアレキナイ川を進み、釧路川へと合流。湿原内を蛇行しながらゆっくりと釧路港へと向かう道は、記憶に深く刻み込まれる幻想的な風景が広がります。

THE GEEK

また、標茶町が明治時代に軍馬候補の馬を供給してきた馬産地としての歴史を持つことを踏まえ、「ホーストレッキング」もアクティビティの一つとして盛り込まれています。さらに「THE GEEK」が提携している馬の観光牧場「Heart Ranch」のトレッキングコースは、面積にして15万坪、東京ドーム10個分にもなる広大な敷地に展開。さまざまなコースを歩くことができるため、何度訪れても楽しめるのが特徴です。

そのほか、日本有数の酪農地帯・オホーツクエリアのチーズを使った「チーズフォンデュ」や、冬季に凍った湖に穴を掘って行う「ワカサギ釣り」など、どれをとっても“この土地”で体験する必然性があるものばかり。

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近隣の町・興部(おこっぺ)町では、スイスで“チーズの王様”と名指されるグリュエール・エメンタルチーズを国内で唯一製造

THE GEEK

塘路湖の氷結湖上での「アイスレイクキャンプ」。湖が凍っている年間数か月限定のアクティビティ

このほかにも多彩なアクティビティが用意されています。自分の興味関心に合ったアクティビティを知りたい方は「THE GEEK」のスタッフさんに聞いてみると良いかもしれません。

本場・フィンランドのような気候で楽しむ「SLサウナ」

THE GEEK

機関車を模した薪ストーブがあるサウナ室では本格的なロウリュが楽しめる

数あるアクティビティの中でも、達川さんの思い入れが特に強いのが「サウナ」です。実はホステルを立ち上げるにあたり、人を呼び込むためのハイライトとして設えたのだそう。

THE GEEK

蒸気機関車が雪原の中を走る光景は圧巻

「せっかくサウナを作るならこのエリアでしか体験を提供したい」という想いでエリアを散策するうち、北海道で唯一、蒸気機関車(SL)が通ることに着目。“外気浴中に蒸気機関車が見られるサウナ”として打ち出したところ、海外の方をはじめとした観光客からは通称「SLサウナ」と呼ばれるようになったほど、その魅力が定着したのだそう。

THE GEEK

桟橋風ウッドデッキの先に白樺の木陰と水風呂がある

また、夏は30℃を超える日が数日、冬は最低が-20℃を下回るというサウナの本場・フィンランドに似た気候の中で楽しめることや、水風呂に日本一透明な摩周湖の伏流水を使用していることなど、サウナ自体にもオリジナリティがあります。

施設やアクティビティなど多種多様なこだわりが散りばめられている「THE GEEK」ですが、その根底にある想いは一貫しています。

「『THE GEEK』がこの土地の歴史や文化に触れるきっかけになれば」と話す達川さん。楽しさや心地よさを入り口に、塘路エリアや釧路湿原について深く知りたい方にとって、「THE GEEK」はこのうえない水先案内人になってくれるでしょう。

SPOT THE GEEK

■所在地:北海道川上郡標茶町塘路原野北7線49-43
■チェックイン時間:15:00~
■電話番号:015-487-2100
「THE GEEK」の詳細と地図情報はこちら

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ライタープロフィール

佐々木ののか

1990年北海道音更町生まれ。大学進学とともに上京し、2015年からフリーライターとして独立。2021年にUターンし、現在は生まれ故郷の十勝にて、馬1頭、猫2匹、子1人とともに暮らしながら、冬は狩猟者として鹿を追っている。著書に『愛と家族を探して』『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』(ともに亜紀書房)などがある。

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