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解説・案内人「旅とクラフト」
主に日本国内の、旅情ある街並みや景観を再現したオリジナル・ペーパークラフトを制作・販売しています。自ら現地で取材した素材(写真)をもとにしているため、日本各地を取材して歩いています。その中で主に建築の歴史を通して日本各地の魅力を発信しています。
1.小樽駅
小樽駅の旅情。鉄道を降りた時から、レトロな雰囲気が漂ってきます。小樽駅舎は上野駅舎は同時期に着工したこともあり、雰囲気が似ています。現在の小樽駅舎が建てられたのは1934年。北海道内初のコンクリート造の近代駅でした。この駅舎は、3代目にあたります。
JR小樽駅
■所在地:小樽市稲穂2丁目22-15
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2.旧三井銀行小樽支店
北海道・小樽にある名建築、旧三井銀行小樽支店です。圧巻なのは、吹き抜けに回廊が巡り、石膏飾りの紋様が施された美しい天井です。ここでプロジェクションマッピングを使われたアート演出が行なわれていて、ぜひとも観たいところです。
1927年に曽禰中條建築事務所の設計により建てられました。ニシン漁などで栄え、「北のウォール街」とまで称された、戦前の小樽の様相を現在に伝える建物の一つと言えます。
小樽芸術村(旧三井銀行小樽支店)
■所在地:小樽市色内1丁目3-10
■入場料:一般 500円 / 大学生 400円 / 高校生 300円 / 小・中学生 200円
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3.堺町通り
小樽の観光名所、堺町通りを歩いているとまず目を惹くのが、「小樽オルゴール堂堺町店(旧岩永時計店)」「利尻屋みのや(不老館)」「海鳴楼(旧百十三国立銀行)」のレトロな並びです。
右に「岩永時計舗」、左に「旧百十三国立銀行」といういずれも小樽市指定の歴史的建造物の並びで、街並みを調和させるために、「不老館」は正面を一歩奥へ下げることによって、景観の工夫をしたそうです。
小樽堺町通り商店街 観光案内所
■所在地:小樽市堺町6-11
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4.旧板谷邸 / Tabist海宝樓 小樽
小樽の堺町通りから坂を登るとすぐ、湾を見下ろす高台にある旧板谷邸。和館に洋館が繋がり、素敵な空間になっています。現在、「Tabist海宝樓 小樽」というホテルになりました。旧板谷邸の部分はエントランスとダイニングルームとして使われています。旧板谷邸は海運業で財をなし、貴族院議員や小樽市長としても活躍した板谷宮吉の邸宅として1927年に建てられました。
Tabist 海宝樓 小樽(旧板谷邸)
■所在地:北海道小樽市東雲町1-19
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5.「□○(カクマル)堂小樽」などガラス雑貨のお店
小樽にはガラス雑貨のお店がたくさんあります。上の写真は大正時代の銀行を思わせる重厚な建物ですが、「□○(カクマル)堂小樽」さんの店舗で、新しく建てられたレトロ風建築になります。
こちらの写真は旧北海雑穀株式会社は1907年頃に建てられた、外面に軟石を積んだ木骨石造のうだつが立派な和洋折衷の建物です。こちらも近年までガラス工芸品のお店でしたが、現在は閉業されてしまったようです。
□○(カクマル)堂小樽
■所在地:小樽市堺町2-14
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6.小樽出抜小路
小樽にある奇抜な建物、小樽出抜小路です。火の見櫓が印象的で、この櫓の上の展望台からは、小樽運河を一望できます。小樽運河がかつて栄えた明治・大正時代の古き良き街並みを再現したレトロな雰囲気で、約20軒の飲食店が集まったフードテーマパークになっています。
小樽出抜小路
■所在地:小樽市色内1丁目1番
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7.小樽運河
小樽運河の美しい夜景。いまや小樽では欠かせない観光名所の運河も、一時期は存続の危機にあったというのは信じがたいことです。しかも、現在の姿もかつてのままの姿ではなく、運河の幅は半分近くに縮められていました。現代では当たり前の姿となり、その恩恵もよく理解していないかもしれないですが、港の整備と発展とともに船舶の「接岸荷役」(港に直接接岸して荷物の運搬をする)が可能になったことは、船舶の運搬上、劇的な意味がありました。これによって、運河そのものが、不要になってしまうほどの。
接岸荷役ができなかった時代は、海上に停泊した船の荷物を、艀(はしけ)と呼ばれる平底の小船に積み、その艀を運河に係留して荷揚げされていました。いわば人海戦術で運搬を行ってましたが、それを安定して行うには、広い海上よりも運河が適していました。そのため、海港小樽にとって運河は欠かせない動脈でした。
時代とともに港は機能的に整備され、運河は使用されなくなり、やがてヘドロが堆積し、悪臭すら漂うになります。それゆえ、運河を埋め立てて道路として整備する案が出て、運河は死に絶える寸前の状況となりました。そんな危機的状況下でようやく、その景観の文化的価値が認められはじめ、保全運動が活発化。小樽運河は現在の姿を残すこととなりました。
小樽運河
■所在地:小樽市港町5
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8.UNWIND HOTEL & BAR 小樽
北海道・小樽にある「UNWIND HOTEL & BAR 小樽」の優美な階段です。このホテルは、1931年に北海道初の外国人専用ホテル「旧越中屋ホテル」として建築された歴史的建造物をリノベーションしたものになります。戦時中は「将校クラブ」として陸軍に使われ、戦後はGHQに接収された歴史をもっています。
UNWIND HOTEL & BAR 小樽
■所在地:小樽市色内1丁目8番25号
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9.「和傘通り」の風景
小樽の小樽堺町通り商店街の出世前広場広場で例年開催されている「和傘通り」の風景です。レトロな路地に色鮮やかな和傘が飾られ、夜間はライトアップされ幻想的な空間になっています。例年夏季(7月〜8月頃)の期間限定で開催されていて、この写真は昨年夏のものです。
和傘通り@小樽出世前広場(※2025年開催の情報)
■開催日時:2025年7月1日(火)~9月7日(日)
※ライトアップ 18:00(日没)~21:00
■開催場所:小樽堺町通り商店街出世前広場(小樽市堺町2-12)
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案内人・解説「旅とクラフト」さんの小樽への思い
最後に、数々の小樽の名建築を紹介してくれた「旅とクラフト」さんに、小樽という街の魅力について伺いました。
小樽は歴史的痕跡が街の随所に色濃く残る素敵な街です。観光名所や名建築を巡りつつ、鰊漁で発展した小樽の歴史を辿ってみてください。
レトロな建物をきっかけに、小樽の歴史や文化に思いを巡らせる——そんな楽しみ方も、この街ならではの魅力。ぜひ本記事を参考に、あなただけの“小樽の物語”を探しに出かけてみてはいかがでしょうか。
取材協力・写真提供:旅とクラフト
・X(旧Twitter):@AMFFCRAFTWORK
・Instagram:@travel_craft
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