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Domingo編集部
北海道ホテル内にある“完全予約制”の天ぷら店
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お店があるのは帯広駅から車で約5分ほどのところにある、「北海道ホテル」の1階。ホテルに入るとまずは可愛らしい木彫りの熊がお出迎え。奥に進むと右手に高級感のある素敵な店構えが現れます。中に入ると、重厚感のある檜の一枚板が美しいカウンター。職人の手さばきを眺めながらいただける贅沢なカウンター席は全部で6席です。
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2021年に空間がリニューアルされ、より洗練されたモダンな空間に
メニューは四季折々のおまかせ「天ぷらコース」のみ
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鶴来は完全予約制、且つ料理は「天ぷらコース」16,000円(税込)のおまかせのみ。予約は前日の17:00まで受け付けています。四季折々で食材は変わるので、季節に併せて何度も訪れるファンもいるのだとか。春は山菜を取り入れるなど、東京ではなかなかお目にかかることのない“地産地消の料理たち”が楽しめます。
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魚介、野菜、お酒。北海道・十勝を堪能し尽くす「天ぷらコース」の全貌
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天ぷらは一つひとつ目の前で丁寧につくられる
それではいよいよ、コースの全貌をお届け。まず1品目に出てきたのは「甘鯛の出汁の茶碗蒸し」。ふんわりと出汁の香りにそそられる上品なスタート。2品目は「アブラボウズ」とハーブを加えたチヂミほうれん草のおひたし。3品目は毛蟹にウニとカニみそを和えたもの。突き出しだけですでに至福のひととき。
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2品目「アブラボウズ」
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3品目は広尾町産の毛蟹を使用
そしてここから、いよいよ天ぷら!まずは、6時間昆布締めしたという名物の「牡丹海老」。味付けも盛り付けも、とっても繊細です。
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名物、反り返った「牡丹海老」
お次は、150°の低温調理で揚げられた「函館産のヒラメ」。一口目は塩とすだちで、2口目はあん肝のソースでいただきます。
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5品目「函館産のヒラメ」
そして帯広市にある山西農園さんの完熟百合根「月光」は、シンプルに塩で。
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糖度が24度もある完熟百合根「月光」
「太刀魚」は脂が乗っている大きなサイズを豊洲で仕入れたそう。こちらは、天つゆにダイブさせていただきました。
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素材から厳選。7品目「太刀魚」
そして、身がぷりぷりで香り高い新得町産の「原木しいたけ」、しいたけってこんなに美味しかったっけ?としいたけについて考えるほどに肉厚濃厚。
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8品目「原木しいたけ」
お次は、多くの人が楽しみにしているという「ウニ」。生のウニと揚げたウニが海苔巻きになり、上には生のウニが乗っていました。どの角度から食べても、口の中に旨味が広がります。
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ウニ巻き天ぷらの上には生ウニ!とろけます
そして「タチのキャビアのせ」、蟹味噌につけていただく「大ズワイガニ」と食べ進めます。
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10品目「タチのキャビアのせ」
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11品目「大ズワイガニ」
いよいよ終盤!次に出てきたのは「じゃがいも」。しかもそんじょそこらのじゃがいもではなく、「とかち井上農園」で生産された2年熟成のメイクイーン。とにかく甘くしっとりとしていて、はじめて食べる方は「え、じゃがいも?!」と目を丸くするほど。そして「函館の黒穴子」はふわっふわ、一口サイズのごはんとワサビがついてきます。
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ワサビとごはんが、また美味しい…13品目「函館の黒穴子」
食事の締めは、秩父別のゆめぴりかを使用した「マグロの胡麻茶漬け」。ひらめバージョンのお茶漬けも季節によって出されているようで、北海道ホテルの代表も大好きなんだとか。
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「マグロの胡麻茶漬け」には、ウニと蟹の天ぷらが添えられています
ここまでノンストップでいただきましたが、その美味しさに終始溜息がもれます。これはまさしくハレの日にぴったりですね。最後のデザートは、音更町の「辻野農場」の苺を使った「苺のゼリー寄せ」。
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サバイオン(卵黄と生クリーム)が添えられた「苺のゼリーよせ」
天ぷらは軽やかな衣が印象的。ひとつひとつのポーションが満足感のある一口サイズで、いろんな食材が少しずつたのしめます。全体のボリュームはごはんの量などで調整できるので、男女問わず満足することができます。北海道の食材を使い細やかな工夫が凝らされた“蝦夷天ぷら”は、江戸前とはまた違った楽しみ。
北海道ホテルは、道外からのお客様も多く「鶴来」の天ぷらをたのしみながらそのまま宿泊する方も多いそう。ぜひ唯一無二の“蝦夷天ぷら”を味わってみてください。
蝦夷天ぷら 鶴来(つるぎ)
■所在地:北海道帯広市西7条南19-1 北海道ホテル1階
■営業時間:18:00~21:00
※完全予約制(受付は前日17:00まで)
※お食事開始は18:00~、又は19:00~のいずれか
■定休日:火曜・水曜・木曜
■電話番号:0155-21-0001
「蝦夷天ぷら 鶴来」の詳細や地図情報はこちら
ライタープロフィール
鹿女 / 編集者 中村 まや
宮城県出身。グルメメディアの編集者から猟師へと転身。”鹿女まやもん”という愛称で親しまれている。おいしく命をいただくことをモットーに、鹿を獲るところから精肉まで一貫して行う。また、ロゴやパンフレットのデザイン制作やライター業、イベントの企画運営などフリーランスの編集者としても積極的に活動している。