北海道・釧路の街に溶け込み、暮らすように旅を――老舗酒屋が手がける「Cise.Kawakami」と一棟貸切りの宿「霧ノ音」|Domingo

北海道・釧路の街に溶け込み、暮らすように旅を――老舗酒屋が手がける「Cise.Kawakami」と一棟貸切りの宿「霧ノ音」

水揚げ日本一の釧路港がある“漁港の町”として知られる釧路市。近年は“世界三大夕日”の一つである幣舞橋から見える夕日や、肌寒いほどの夏場の涼しさを求めて、訪れる観光客も増えつつあります。今回はそんな釧路の市街地にある宿泊施設、「Cise.Kawakami」と「霧ノ音」の2軒をご紹介します。

老舗の酒屋・鮮魚店が運営!釧路の町ナカにある宿泊施設

釧路の夕焼け

今回ご紹介するのは、釧路市内にある宿泊施設「Cise.Kawakami」と、一棟貸切りの宿「霧ノ音」です。2つの施設の運営元は、株式会社五明(以下、五明)。釧路で100年以上、お酒の卸売と鮮魚の小売、不動産賃貸を中心として事業を展開してきた老舗です。

お酒や鮮魚を中心に販売してきた会社が、なぜ宿泊施設を立ち上げたのか。その大きな理由は、大人数での観光でも、同じお部屋でのんびりくつろいでほしいからだそう。ビジネスホテルの1部屋あたりの定員は1〜2人のため、人数が多いとお部屋を分けて泊まらなくてはいけないこともしばしば。そこで、市街地に少なかった宿泊施設を作ることにしたそうです。

また、港町として知られてきた釧路市に、観光地としての可能性を感じたことも理由の一つ。そうした想いを込めて、2つの施設には地元・釧路にゆかりのある名前やコンセプトがギュッと詰まっているのです。ではさっそく、2つの施設をご紹介しましょう!

釧路一の繁華街が目の前に広がる「Cise Kawakami」

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」のリビング

まずご紹介したいのは「Cise.Kawakami(チセ カワカミ)」。末広という繁華街にほど近い川上町に位置します。この立地には「Cise.Kawakami」を拠点に町に繰り出して、飲食店での食事を楽しんでほしいという五明の想いが込められています。なお、「Cise(チセ)」はアイヌ語で「家」という意味で、「旅の宿でも、観光地でもなく仲間と気ままにくつろげる、街とつながる“もうひとつの家”のような場所」を目指して作られました。

そんな「Cise.Kawakami」はビルの3階が「Cise.Kawakami1」、4階が「Cise.Kawakami2」になっていて、それぞれワンフロアを貸し切って最大5名まで利用できます。お部屋はどちらも南に大きな窓が設けられた日当たりの良いリビングと、和室、ベッドが2つある洋室の3部屋で構成されていて、開放的な雰囲気が特徴です。

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」のリビング

部屋の間取りは基本的に同じですが、「Cise.Kawakami1」の和室はリビングと地続きになっていて開放的な空間になっています。一方で、「Cise.Kawakami2」の和室はリビングと独立しているので、部屋ごとにプライベートを確保しやすい工夫も。一緒に利用するメンバーによって使い分けると良さそうです。

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」の和室はリビングと地続きで、開放感ある空間

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami2」の和室はリビングが独立したシックな雰囲気に

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」の洋室

また、洋室にもちょっとした違いが。「Cise.Kawakami1」の洋室にはセミダブルのベッドが2つありますが、「Cise.Kawakami2」の洋室にあるのはシモンズ社のダブルベッド2つ。ベッドの大きさやブランドにこだわりがある方は、「Cise.Kawakami2」を選ぶと良いかもしれません。

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」の洋室

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami2」の洋室

もちろん、洗面台や浴室、洗面台、トイレなど、暮らしに必要な設備が整っています。なお、洗面台にはアメニティも設置されているので、一般的なホテルと同じように最小限の荷物で旅行することもできます。

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」の洗面台

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」の浴室

釧路出身の異才が設計!元医院を改修した一棟貸切りの宿「霧ノ音」

霧ノ音

続いてご紹介するのは一棟貸切りの宿「霧ノ音」です。釧路駅から車で5分ほど、幣舞橋を臨む商業施設「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」から徒歩で15分ほどの場所にあります。「霧ノ音」の最大の特徴は、見た目にもユニークな建物。これは釧路市出身で世界的にも有名な建築家・毛綱毅曠(もづなきこう)によって設計されたもので、市内では最後の作品と言われています。

霧ノ音

客室内に飾られた、釧路をテーマにしたアート作品

もともと病院として建てられ、休診日には音楽や演劇などの市民の文化施設として開放されているなど、病院を利用しない人にとっても馴染み深い場所だったそう。五明代表取締役の五明龍哉さんも毛綱毅曠建築を身近に感じていたこともあり、「“町の文化”をうまく活用したい」という想いから、宿泊施設として生まれ変わらせることにしたのです。

霧ノ音

客室内に飾られている、釧路湿原の土を素材としたアート作品

この建物で最も印象的なのが、入口から入ってすぐのホール。天井が高さ9mの吹き抜けになっていたり、階段が2つあったりと強いこだわりが感じられます。リノベーションをする際も、この空間は元の設計をできるだけ生かすように意識したのだそうです。87㎡の開放的な空間では大人数の食事や飲み会はもちろんのこと、イベントやコンサート、ダンスや演劇、セミナーや企業研修など、さまざまな場面で利用できます。

霧ノ音

メインホールには、毛綱毅曠の巨大な版画を4枚展示

元内科医院だった「霧ノ音」の客室は、かつての診察室や処置室、院長室などをリノベーションしたもの。各部屋には、釧路のテーマをアイヌ語で表現した名前が掲げられています。

たとえば、1階にある霧のかかる森をテーマにした「URARA(ウララ)」もその一つ。立体プリンターで制作したオリジナルの照明器具で霧を表現するなど、空間演出にもかなりこだわっています。

霧ノ音

霧のかかる森をコンセプトにした「URARA」

霧ノ音

シモンズ社製のセミダブルベッドが2つ並ぶ「URARA」。ベッド内の収納ベッドを使うと最大4名まで利用可能に

そのほか、1階の「夕日に照らされた街」をテーマにした「CUH(チュフ)」、2階にある雪の積もる湿原をテーマにした「UPAS(ウパシ)」、朝の航海をテーマにした「ATUY(アトゥイ)」など、特徴あるお部屋が全4室用意されています。どれも魅力的なので、どこで眠ろうか迷ってしまいますよね。

霧ノ音

釧路の世界三大夕日をイメージし、オレンジを基調とした「CUH」

霧ノ音

雪景色の釧路湿原をイメージし、白を基調とした「UPAS」

霧ノ音

人数が少ないときはくつろぎスペースとして利用するのもおすすめ

霧ノ音

朝の航海をテーマにした「ATUY(アトゥイ)」

浴室も床・壁・天井のすべてを防水性に優れた左官材・モールテックスで仕上げ、まるで洞窟のような空間が楽しめるこだわりの空間に。なお、浴室とは別にシャワールームもあるので、大人数の際はそちらも併用できるのだとか。

霧ノ音

洞窟のような空間が広がるこだわりの浴室

このほか、YouTubeなどの動画サイトが視聴できる80インチの大画面モニターのあるギャラリーや、飲み物片手に釧路の風を浴びることができるテラスなどの設備が充実。観光から社員研修、アートイベントまで、ありとあらゆるシーンで利用できそうです。

霧ノ音

ギャラリー内のキャスター付きの大画面モニターはホールに運んでプレゼンを行うことも可能

霧ノ音

乾燥機付き洗濯機も設置

なお、「霧ノ音」の紹介で忘れてはいけないのが、お酒・ドリンク飲み放題のキッチン。釧路最大の繁華街で酒屋を運営している五明の強みを生かして、およそ60種以上のドリンクが飲み放題に。

霧ノ音

冷蔵庫内にあるサッポロクラシックやアサヒビール、コロナやハートランドなどの瓶ビール、炭酸飲料やジュース類、お茶類などはもちろん、釧路の福司と根室の北の勝など、計4種の日本酒が楽しめるサーバーも設けられています。このほか、専用棚には北海道産を中心としたウィスキー、焼酎、リキュール、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムなど36種がずらりと並びます。

霧ノ音

また、釧路湿原の土を素材にした土塗り壁で彩ったキッチンや、北海道産の天然一枚板で制作したカウンターにもこだわりが。他ではできない特別な体験ができそうです。

「食べる」も「歩く」も思いのままに

釧路の夜の街

釧路市の中心に位置する「Cise.Kawakami」と「霧ノ音」。なお、五明さんにおすすめの過ごし方を聞いてみると、やはりそのアクセスの良さを生かして「町に繰り出して飲食店を楽しんでほしい」とのことでした。

なお、施設の運営管理を担当する﨑一馬さんは現在、宿泊者の方々に釧路市街地の魅力を伝えるべくガイドツアーなるものを企画中とのこと。現在は準備の真っ只中ということですが、皆さんが釧路への旅を本格的に計画する頃には、もしかすると新たなサービスが生まれているかもしれません。

もちろん、市場で新鮮な素材を買って、各施設のキッチンで調理することも可能です。どちらの施設にも炊飯器やケトルなどの基本的な台所用品が揃っています。

Cise.Kawakami

「Cise.Kawakami1」のキッチン

霧ノ音

「霧ノ音」のキッチン

また、「霧ノ音」では、提携する居酒屋の特別コース(別料金)の利用もできるのだとか。宿泊している場所でゆっくり過ごすこと、プロが作ったおいしい料理を食べることの両方を叶えたい人にとっては、うれしいサービスですよね。

料理

提携する「炉ばた居酒屋はたご家」が「霧ノ音」のために作った特別なコース料理

町に出て楽しみたい人も、暮らすように利用したい人も。釧路を旅行する際には、さまざまな人の想いや目的に寄り添う「Cise.Kawakami」や「霧ノ音」を利用されてみてはいかがでしょうか?

SPOT Cise.Kawakami

■所在地:北海道釧路市川上町6丁目3 上島ビル
■電話番号:0154-25-1755
「Cise.Kawakami」の詳細と地図情報はこちら

SPOT 霧ノ音

■所在地:北海道釧路市浦見4丁目2-2
■電話番号:0154-25-1755
「霧ノ音」の詳細と地図情報はこちら

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ライタープロフィール

佐々木ののか

1990年北海道音更町生まれ。大学進学とともに上京し、2015年からフリーライターとして独立。2021年にUターンし、現在は生まれ故郷の十勝にて、馬1頭、猫2匹、子1人とともに暮らしながら、冬は狩猟者として鹿を追っている。著書に『愛と家族を探して』『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』(ともに亜紀書房)などがある。

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