
Domingo 記事
北海道の七夕には、子供たちが「ロウソク出ーせ出ーせよ」と歌いながら家を周ってお菓子をもらう「ローソクもらい」という風習があります。今では見かけることが少なくなりましたが、今回は「ロウソクもらい」がどのような風習かご紹介します。
七夕に「ロウソク出ーせ出ーせよ」と子供が歌う

北海道の七夕は旧暦に由来した7月7日に行う地域と、新暦に由来した8月7日に行う地域に分かれますが、道南・函館の七夕は7月7日。函館の子供たちは、七夕の日になると浴衣に着替え、行灯をもって歌をうたいながら大人たちからお菓子をもらいます。その時に歌うのが「ロウソク出ーせ出ーせよ」という、ちょっと風変わりなもの。ハロウィンの「トリックオアトリート!」と役割が似ています。

かつて北海道全域でも行われていて、風習そのものを「ローソクもらい」、また「ローソク出せ」と呼ぶこともあります。そして、特徴的な子どもたちの歌は、地域によって違っていたようです。
道央・道北・道東方面は、「ローソク出ーせー出ーせーよー 出ーさーないとー かっちゃくぞー おーまーけーにー噛み付くぞー 噛み付いたら放さんぞー」が代表的で、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。また、道南の函館方面は「竹に短冊七夕祭り 大いに祝おう ローソク一本頂戴なー」などと歌われています。
実はここには書ききれないほどバリエーションがあるのですが、要は「ロウソクをちょうだい!くれないと噛みついたりするよ!」ということを歌っています。
かつて北海道各地でも行われていたが徐々に減り…

小田嶋政子著の『北海道年中行事』によると、平成8年の時点では、全道に渡って各地域で「ロウソクもらい」が行なわれていたと記されています。ただ、年が経つごとに少しずつ実施する地域は少なくなっていき、今では主に函館で続く風習として知られることが多くなりました。

しかしこの「ローソクもらい」、子どもたちはなぜローソクをねだっているのでしょうか?その理由を探ると、ルーツは函館にありました。
- 1
- 2