
Domingo編集部
2021年の釧路市では、老舗が美味しさを守り続けているだけでなく、出前・テイクアウトを中心に人気を集める新たなお店も登場しています。釧路とザンギは切っても切れない関係にあり、それぞれのお店で趣向をこらしたザンギが食べられます。
ただ、釧路のザンギは歴史があるだけに、お店によっては旅行客が足を運びにくいケースも。そこでこの記事では、そんな釧路ザンギを3泊4日で食べ歩いた筆者オススメの、旅行客でも通いやすい人気のお店7店をご紹介します!
1. 心温まるひとときが嬉しい「居酒屋大ちゃん」
2. 釧路ザンギの伝統的な味を楽しめる「鳥善」
3. お昼からザンギを食べたいならココ!お弁当も買える「ヤムヤム昭和店」
4. プロがおすすめするザンギ「溶岩焼こじゃれ」
5. ザンギで白黒つけたいなら「炭焼鮮家たま鳥」
6. 2021年のニューカマー「釧路ザンギ うまみちゃん」
7. 多彩なカクテルが一緒に楽しめる「Cocktailbar JiZi(カクテルバー・ジジ)」
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心温まるひとときが嬉しい
「居酒屋大ちゃん」
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釧路を訪れた際に飲んだことがある人なら、一度は足を運んだことがあるかもしれないお店の一つが「居酒屋大ちゃん」です。さながら大漁船を思わせる、景気のいい灯りに誘われます。焼き魚や炒め物などたくさんのメニューがありますが、おすすめはやっぱりザンギです。
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店内に足を踏み入れると、年代モノのアンティークがたくさん!昭和の時代にタイムスリップしたかのようです。
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居酒屋大ちゃんで売られているザンギは、ニンニクベースの濃い味オリジナルザンギと、生姜ベースうす味のソース付ザンギです。欲張りな人は2種類を同時に楽しめる、ハーフ&ハーフがオススメ。
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写真左がオリジナルザンギ、右がソース付ザンギです。比べて見てみると分かりますが、それぞれ衣の色が違います。
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オリジナルザンギはガツンとした濃いめの味付けで、パワフルなニンニクの風味が食欲をそそります。ジューシーなモモ肉なのに、サクリと平らげてしまえるのが不思議です。
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ソース味は、何もつけずに食べるとあっさりしているのですが、ソースなしで食べても旨味たっぷり!甘みのあるソースをからめるとガラっと味が変わり、お酒のつまみには持ってこいの味です。
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緊張した面持ちの筆者を気遣い、マスターがウーロン茶をサービスしてくれました。心遣いが嬉しくて、一気に半分くらい飲んでしまいました。
こちらのお店を筆者が強くオススメするのは、こういったマスターの優しさが心にしみるからです。 筆者が訪れた際の夜道は冷え込み、お店に足を運んだときは顔がこわばっていたように思いますが、それを見かねてかマスターが取材に積極的に協力してくれました。
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取材中、マスターの友達から電話が来て「ウニがもらえるから食べてきな!」と嬉しいお誘いを受けます。届いたのはこんなに大量のウニ!新鮮なウニまでごちそうになり感無量です……。
昭和の人情に触れつつ、美味しいザンギに舌鼓を打ちたい方は、一度居酒屋大ちゃんに足を運んでみてください。
【居酒屋大ちゃん】
所在地:北海道釧路市若松町1−31電話番号:0154-25-7725
2
釧路ザンギの伝統的な味を楽しめる
「鳥善」
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繁華街の少し奥まった通りを歩くと、料亭のような佇まいのお店が見えてきます。栄町2丁目の鳥善は、のれんに書かれている通り「ザンギ専門店」として多くのファンに愛され続けているお店です。
メニューはシンプルな構成になっていて、
- ザンギ(骨つき)700円
- ザンギ(骨なし)700円
- から揚げ(もも)500円
骨付きザンギは、ザンギのルーツそのもので、鶏を1羽まるごと仕入れてぶつ切りにしたものがザンギの始まりと言われています。
オーナー曰く、「昔は骨なしの肉なんて市場に出回ってなかったからね。それが当たり前だったんだよ」とのこと。
また、ザンギという名称のルーツについても、「中華料理で、鶏肉を細かく切って揚げたものを『ザーティー(ザーチー)』っていうんだけど、それがザンギって名前の由来」と教えてくれました。
ちなみに、ザンギの「ン」は、幸運の「ン」をもじって入れたという説が有名で、元となった中華料理はザーギーと呼ばれることもあるそうです。このあたりは、お店によって異なる説を教えてくれることがあるので、いろいろなお店を回るのが通と言えそうです。
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釧路伝統の味・骨つきザンギは、特製のタレにザンギをつけて食べるスタイル。タレを注いだ後、その上にコショウをふりかけます。
まずはそのままかぶりつくと、サクッとした薄皮の奥からジューシーな肉汁がたっぷり!肉の旨味と程よい塩加減は、油ものが苦手な人でも食べやすいでしょう。
次に、タレをつけて食べてみると、薄皮がタレを吸って甘いタレの味が口いっぱいに広がります。タレの量もよく調整されていて、食べ終わる頃に皿の中が空になったのは驚きでした。すべてが計算しつくされた骨つきザンギは、なかなか他のお店では味わえない逸品です。
【鳥善】
所在地:北海道釧路市栄町2丁目15電話番号:0154-22-8472
3
お昼からザンギを食べたいならココ!お弁当も買える
「ヤムヤム昭和店」
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釧路で本格ザンギを売っているお店は、夕方以降から営業をスタートするお店が多いため、ランチにザンギを食べたい人にとっては選択肢が狭まります。そんな人にオススメしたいのが、ビッグサイズのザンギでおなじみのお弁当屋さん「ヤムヤム」です。
ヤムヤムは、2021年12月現在、以下の店舗が営業しています。
<釧路エリア>
- ヤムヤム海運店(釧路市海運1丁目1番11号)
- ヤムヤム愛国店(釧路市愛国東1丁目15番6号)
- ヤムヤム昭和店(釧路市昭和中央3丁目1番2号)
- ヤムヤム東1条店(帯広市東1条南1丁目1番地 東1条ビル1F)
- ヤムヤム西20条店(帯広市西20条南3丁目28番14号)
- ヤムヤム光星店(札幌市東区北8条東8丁目2-13)
- ヤムヤム新発寒店(札幌市手稲区新発寒4条3丁目16-10)
ヤムヤムはデカ盛りのザンギ弁当が有名なお店で、釧路の3店舗・帯広の2店舗に加えて、2019年以降は札幌でも2店舗がオープンしています。基本的に、注文を受けてからザンギを揚げてくれるスタイルのため、人気店ということもあり、あらかじめ電話で予約するお客さんも多いのが特徴です。
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予約してまで食べたくなるその理由は、ビッグサイズかつジューシーなのに、気が付いたら食べてしまっているサクサク感。1秒間に5万回の電波振動で油ハネを防ぎ、食材に油を染み込ませにくくする新技術「Dr.Fly」を導入したことで、短時間で揚がるのに美味しさがアップしているのです。
そして、ヤムヤム昭和店では他店舗よりも一歩進んだ販売形態を取り入れており、なんと待たずにザンギが食べられる「お惣菜屋さん」スタイルでザンギを売っています。かつてはイートイン方式のお店でしたが、店長の「お客様をお待たせしないようにしたい」という思いやりからこのスタイルが生まれました。
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ヤムヤム昭和店の入口から入って左手を見ると、小さなクリスマスツリーが飾られたお弁当・お惣菜コーナーが見えてきます。
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こちらはザンギ&お惣菜コーナーです。お昼過ぎにうかがったため、多くのザンギ&お惣菜が売れてしまっています。
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こちらは名物のヤムヤムザンギ。一見すると、注文して頼むザンギよりも小さめに見えますが、しっかりボリュームでお値段が220円と安い!給料日前でもザンギをたくさん食べられます。
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ザンギ以外にも、ハンバーグ・春巻き・コロッケなど、お手頃価格でボリューム感のあるお惣菜が手に入ります。何を食べるかは、その日の気分次第といったところでしょうか。
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もちろん、ザンギ弁当も食べられます。ただ、注文して食べる弁当よりは小さめなので、ガッツリ食べたい人は注文しましょう。
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ヤムヤムは、他にもすぐ持ち帰れるお弁当をたくさん販売しています。そして、多くのお弁当にセットでザンギが付いてくるのでお買い得です。
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あっさりしたものが食べたい人は、のり手巻きずしなどのお惣菜も食べられます。このバラエティに富んだ商品数も、ヤムヤム昭和店の魅力です。
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ヤムヤムで売られているザンギは味の種類も豊富で、オリジナルだけでなく、ザンタレ・ザンマヨ・黒酢あんなどの味が楽しめます。今回は、黒酢あん(左)とザンマヨ(右)をいただきます。
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黒酢あんはザンギ全体にからめられていて、野菜と一緒に食べるスタイルです。甘味の中に邪魔にならない程度の酸味が感じられ、肉もジューシーさを失わず柔らかい食感です。箸休めに野菜を食べられるのが嬉しい!
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ザンマヨは、ザンギの上にマヨネーズがかかっているのが特徴です。こってりした印象ですが、ほどよい酸味がアクセントになり、濃厚な味わいを楽しめます。
今回ご紹介したザンギ・お弁当以外にも、美味しいものがたくさんあります。道東方面を旅行中に、思いのほか早く釧路に着いてしまったら、ヤムヤム昭和店がオススメです。
【ヤムヤム昭和店】
所在地:釧路市昭和中央3丁目1番2号電話番号:0154-65-8686
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プロがおすすめするザンギ
「溶岩焼こじゃれ」
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ザンギを食べ歩いていた際、とあるお店のスタッフに教えてもらった、ザンギの美味しいお店の一つが「溶岩焼こじゃれ」です。こちらはかなりの人気店で、筆者が訪れた際は宴会のため満席だったようです。
しかし、ザンギだけを食べたい場合、テイクアウトもOKです。忙しい雰囲気の入口でしたが、ベンチに腰掛け、でき上がりを待ちます。
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今回頼んだのは「こじゃれ特製タレザンギ」で、お値段は600円(税抜)と比較的お手頃価格。甘く濃厚なタレと大根おろしのサッパリ感がクセになります。ホテルで美味しくいただきました。
【溶岩焼こじゃれ】
所在地:北海道釧路市栄町5-2電話番号:0154-68-5886
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ザンギで白黒つけたいなら
「炭焼鮮家たま鳥」
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釧路駅から車で7~10分ほどで到着する「炭焼鮮家たま鳥」は、住宅地の一角にあるアットホームな雰囲気の居酒屋です。開店から間もないうちに、常連客やカップルでにぎわいます。
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こちらのお店で有名なのが、2015年の釧路B-1グランプリで優勝した「白たまザンタレ」と、石垣島のイカ墨が練り込まれた「黒たまザンタレ」で、ともに693円(税込)です。それぞれ個性がまったく違う味わいのため、どちらを選ぶかは難しい悩みですが、何人かで飲むなら両方頼んで味の違いを楽しみたいところです。
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白たまザンタレは、ザンギの上にフレンチソースがかかっていて、その上にはみじん切りキャベツが乗っています。一見こってりした印象ですが、キャベツがフレンチソースの酸味をほどよく中和してくれて美味。レモンをかけるとよりサッパリした味わいになります。
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黒たまザンタレの上にかかっているのは、マヨネーズではなくオリジナルのハニーマスタードソース。ピリリとした辛さの中に濃厚な旨味と甘さが感じられ、お酒が進むこと間違いなし!釧路旅行中のお店選びで意見が割れたら、どっちが美味いか、たま鳥で白黒つけてみませんか?
【炭焼鮮家たま鳥】
所在地:北海道釧路市住之江町12番35号電話番号:0154-32-3818
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2021年のニューカマー
「釧路ザンギ うまみちゃん」
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居酒屋で本格ザンギが提供されるお店が多い釧路ですが、出前を中心に人気を集めているお店もあります。その中の一つが、2021年9月にオープンした「釧路ザンギ うまみちゃん」です。
飲食店ビル「オリエンタルプラザ」の5階でザンギを提供しています。デリバリーサイトでの評価が高く、夜遅くまで注文できるのが人気の秘密のようです。
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エレベーターでオリエンタルプラザの5階に到着後、ダイニングバー「FROM THIRTY」を目指します。右手の白い扉を開けて中に入ると、50人以上は入れるであろう広い空間がお出迎え。
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こんなオシャレ空間で、あえてザンギを食べるというのもシュールな気がしますが、お酒と一緒に楽しむこともできるようです。さっそくメニューを見てみると、ザンギは以下の3種類のようです。
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どのザンギを選ぶか迷いますが、今回はスタッフ激推しの「おろしポン酢ザンギ」を注文。お店には先客がいらしたため、テイクアウトでホテルに持ち帰ります。
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ホテルに戻って袋からザンギを取り出してみると、プラケースの上にメッセージが!「お買い上げありがとうございます」という一言が、お客さんの心をほっこりさせてくれます。こういった心遣い、なかなかできることではありません。
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容器のフタを開けると強烈なガーリックの香り、そして盛りのよい大根おろしが食欲をそそります。肉はとてもやわらかくジューシーな味わいなのに、ポン酢とおろしのおかげであっという間に食べてしまいました。釧路なら、飲み過ぎた夜のシメに、ラーメンではなくザンギを選ぶのもオツかもしれません。
【釧路ザンギ うまみちゃん】
所在地:北海道釧路市末広町5丁目13 オリエンタルプラザ5階電話番号:0154-24-7630
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多彩なカクテルが一緒に楽しめる
「Cocktailbar JiZi(カクテルバー・ジジ)」
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釧路では、一見ザンギがメニューになさそうなお店にも、ザンギが用意されていることは珍しくありません。「Cocktailbar JiZi(カクテルバー・ジジ)」もその一つで、美味しいカクテルを楽しみながらザンギを食べることができます。
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メニューの肉料理を見て「柚塩のザンギ」を注文します。ザンギ以外にも、一品料理やハンバーグなどメニューは豊富です。
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タマネギと一緒にザンギをほおばると、肉汁と旨味をタマネギのフレッシュさとほのかな甘みが包んでくれます。これだけでも十分美味しいのですが、せっかくカクテルバーに来たので、カクテルも一緒にいただきます。
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JiZiで飲めるカクテルの種類は豊富で、オリジナルカクテルは9種類。今回は、「ナインハーフ」「トワイライトJiZi」の2種類を頼みます。
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ナインハーフは、ブランデーベースのリキュールを使ったカクテルで、コーラのような甘みとブドウのような香味、わずかなほろ苦さが大人の味。
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トワイライトJiZiは、グレープフルーツの苦さの中に甘みがあって、一口飲むたびにザンギを食べた後の脂っこさが口の中から消えていくようでした。
【Cocktailbar JiZi】
所在地:北海道釧路市川上町5丁目1電話番号:0154-24-5752
釧路ザンギは奥が深い
今回ご紹介したザンギ以外にも、釧路には美味しいザンギがたくさんあります。 釧路を訪れた際は、レストラン・定食屋・居酒屋を見つけたら、ぜひザンギを探してみてくださいね。ライタープロフィール
美味いもの・面白いもの・旅行と車中泊が好きな道産子ライター。アシスタントの妻は群馬県出身。オンラインスキルマーケット「Coconala(ココナラ)」にて各種ライティングに携わり、専業ライターとして独立。北海道中をマイカーで走り回り、面白そうな場所・美味しそうな店を探し続ける。
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